乾くるみ「マリオネット症候群」

マリオネット症候群 (徳間デュアル文庫)
乾 くるみ
徳間書店
売り上げランキング: 1,054,814

内容(「BOOK」データベースより)

とにかく私は驚いた。ある晩、目覚めたら、勝手に動いている自分の身体。意識はハッキリしてるのに、声は誰にも通じない―まさか私、何かに乗っ取られちゃったの!?誰の仕業かと思っていたら、なんと操り主は、あこがれの森川先輩らしいの。でも、森川先輩って、殺されちゃったらしくって…それっていったい、どういうこと?とっても奇妙なパラサイト・ストーリー。書き下ろしで登場。


シンプルな設定を突き詰めた結果、凄まじい終局を迎えた。
短くて良い。
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山本弘「神は沈黙せず」

神は沈黙せず(上)<神は沈黙せず> (角川文庫)
KADOKAWA / 角川書店 (2015-02-10)
売り上げランキング: 70,075

昨年末から読み始めてようやく読了した。
時間がかかった原因は2つ。
序盤がつまらない。
情報が多すぎる。
なので下巻は2日で読めた。
神の沈黙というのはよくあるテーマで、よく見る答えとして『全ては神の思し召し』『神は公平だから誰にも肩入れしない』『そもそも神なんていない』などがあるが、ここでは超常現象と絡めて別の答えが提示される。
その説得力は別にして面白かった。

籘真千歳「スワロウテイル 初夜の果実を接ぐもの」

スワロウテイル/初夜の果実を接ぐもの
早川書房 (2013-09-30)
売り上げランキング: 25,479

内容(「BOOK」データベースより)
人間に奉仕するために造られた人工妖精。その一体の揚羽は、東京自治区の閣僚を殺戮し続けている人工妖精“麝香”の影を追っていた。その頃、揚羽の双子の妹である真白は、自治区総督の椛閣下が暗殺されたことを知る。自治区最大の危機を前に、揚羽と真白はそれぞれ、己の今後の人生を左右する選択を迫られる。守るべき者のために、己の全てを犠牲にする覚悟をした揚羽の運命は…揚羽をめぐるシリーズ4作のフィナーレ。


突然のUBWに笑ったが、おそらく気がつかないだけで、ネタは無数に仕込んであるのだろう。
他にもいくつか引っかかったが、もう覚えていない。
話としては、なんというか、やはり第1作で核となる要素が明かされているので、カタルシスは得られなかった。
そういう意味で、あとがきに名前が出ていたJ・P・ホーガンの「星を継ぐもの」に似ている。
タイトルもホーガンリスペクトなのだろうか。
1冊は分厚いがシリーズとしては短くまとまっていてよかった。

籘真千歳「スワロウテイル 序章 人工処女受胎」

スワロウテイル序章/人工処女受胎 (ハヤカワ文庫JA)
籘真 千歳
早川書房
売り上げランキング: 36,456

内容(「BOOK」データベースより)

男女別の自治区で性別の違う人間と共に暮らす人工妖精たち。その一体である揚羽は、全寮制の看護学園で同室の連理や義妹の雪柳らと学園生活を謳歌していた。人間に害をなす人工妖精を密かに殺処分する“青色機関”の一員という裏の顔を持つ揚羽は、学園内の連続事件に死んだはずの科学者・不言志津江の陰謀を見出す。それは揚羽の人生に今後降りかかる過酷な運命の予兆でもあった。人気シリーズの前日譚たる連作中篇集。


短編集だと思っていたら長編だったと思ったが、よく考えたらよくある連作短編集だった。
序章ということで前2作とのリンクがちらほらと。
まどか+空の境界。
世界観を詰めていくのは論理的で意外性があって良いが、どうにもすっきりしない。
物語がややこしいんだよな。
この辺りが野崎まどとの差か。
次でラストのようなので記憶があるうちに読みきってしまいたい。

籘真千歳「スワロウテイル 幼形成熟の終わり」

スワロウテイル/幼形成熟の終わり (ハヤカワ文庫JA)
籘真 千歳
早川書房
売り上げランキング: 232,312

内容(「BOOK」データベースより)

関東湾の自治区に男女別で隔離されている人間たちは、人工妖精と共に暮らしていた。その一体の揚羽は亡くなった後輩が葬式で動く死体になってしまった事件の謎を追う。一方、自警団の曽田陽平は人工妖精の顔剥ぎ事件の痕跡を捜査していた。どちらも当初は単発的な事件だと思われたが、突如自治区を襲ったテロをきっかけに、これらの異変が自治区の深い闇のほんの一端であることを二人は思い知る…。話題の人気作第二弾。


前作と矛盾する描写に、自らの記憶力に疑問符をつけつつも、何らかの仕掛けのにおいを嗅ぎ取り、それが炸裂してくれることを願っていたが、結局不発に終わった。そういう話なのはわかるけど、読者に対してそれをやる意味が理解できないし、どうせやるならもっと上手くやってもらわないとカタルシスを得られない。また、前作に続いて非常に読みにくい。翻訳あるいは学術論文みたいだ。さて、物語の内容は、整理すると非常に単純な図式になるのだが、読んでいる最中は何がなんだかわからず、先が気になるものだった。しかし前作で設定が明かされているので、驚きはなかった。現実世界からの影響が顕著でほとんど時事ネタ。時事ネタに普遍性はあるのだろうか。

籘真千歳「スワロウテイル 人工少女販売処」

スワロウテイル人工少女販売処 (ハヤカワ文庫JA)
籘真 千歳
早川書房
売り上げランキング: 29,886

内容(「BOOK」データベースより)

“種のアポトーシス”の蔓延により、関東湾の男女別自治区に隔離された感染者は、人を模して造られた人工妖精と生活している。その一体である揚羽は、死んだ人工妖精の心を読む力を使い、自警団の曽田陽介と共に連続殺人犯“傘持ち”を追っていた。被害者の全員が子宮を持つ男性という不可解な事件は、自治区の存亡を左右する謀略へと進展し、その渦中で揚羽は身に余る決断を迫られる―苛烈なるヒューマノイド共生SF。


第1章の時点では近未来サスペンスだと思って読んでいたが、第2章に入るとラノベになり、最終的にはガチガチのSFだった。
シリーズ第1作でここまで設定を明らかにしてしまってこの先どう続けていくのだろう。
どことなくアニメっぽいのだがアニメ化されてもきっと意味不明で困るだろうな。

ということで積読消化キャンペーン第2弾かと思いきや、3ヶ月くらい前から少しずつ読み進めていた作品。
ここ2日でブーストが掛かってやっと読了。
記憶が確かなうちにシリーズを消化したいのだが、ボリューム的に意欲が削がれている。
どうしようかな。

野崎まど「know」

know (ハヤカワ文庫JA)
know (ハヤカワ文庫JA)
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野崎 まど
早川書房
売り上げランキング: 23,522

内容(「BOOK」データベースより)
超情報化対策として、人造の脳葉“電子葉”の移植が義務化された2081年の日本・京都。情報庁で働く官僚の御野・連レルは、情報素子のコードのなかに恩師であり現在は行方不明の研究者、道終・常イチが残した暗号を発見する。その“啓示”に誘われた先で待っていたのは、ひとりの少女だった。道終の真意もわからぬまま、御野は「すべてを知る」ため彼女と行動をともにする。それは、世界が変わる4日間の始まりだった―


またしてもぶっ飛んだ小説だった。期待通りだ。
メディアワークス文庫の一連の作品と印象は似ている。
リアリティより説得力という、いわば法螺話だ。
これまではSFっぽいファンタジーという趣だったが、レーベルの異なる本作は近未来の超情報化社会という設定で、本格的にSFをやっている。
なんだか伊藤計劃っぽいなと思ったが、これはたぶんゼロ年代SFらしさってことだろう。よく知らないけれど。
「2」を読んだ後では、道終・常イチ=最原最早を筆頭に対応する要素が多々目に付いた。

伊藤計劃・円城塔「屍者の帝国」

屍者の帝国
屍者の帝国
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伊藤 計劃 円城 塔
河出書房新社
売り上げランキング: 50,871

内容(「BOOK」データベースより)
19世紀末―かのヴィクター・フランケンシュタインによるクリーチャー創造から約100年、その技術は全欧に拡散し、いまや「屍者」たちは労働用から軍事用まで幅広く活用されていた。英国諜報員ジョン・ワトソンは密命を受け軍医としてボンベイに渡り、アフガニスタン奥地へ向かう。目指すは、「屍者の王国」―日本SF大賞作家×芥川賞作家が挑む渾身の書き下ろしエンタテインメント長編。早逝の天才・伊藤計劃の未完の絶筆が、盟友・円城塔に引き継がれ遂に完成。


面白かった。半分も理解できていないけれど。
そういうことで感想をまとめられないため、気づいたことを羅列しておく。

歴史とフィクションがごちゃまぜ。
フランケンシュタイン、シャーロック・ホームズ、カラマーゾフの兄弟、ヴァン・ヘルシング、ダーウィン、エジソン、、、
アフガニスタン、日本、アメリカ。

人は死ぬと0.75オンス≒21グラム体重が減る。それは霊素=魂の重さであり、生と死の境界はその有無である。霊素の抜けた死体に擬似霊素をインストールすることで屍者は生まれる。電気信号=情報が質量を持つ。フランケンシュタイン三原則など作中の言葉から明らかにロボットを意識したものだとわかる。死体か機械かの違い。つまりスチームパンク。

ゾンビ。意識。哲学的ゾンビ。

Noble_Savage_007 007リスペクト?
フライデー=モリアーティ教授? 明示はされていない。
シャーロック・ホームズの物語は、信頼できない語り手としてのワトソンの物語ということになる。記憶を失った彼が見ているのは屍者の存在しない世界。

パンツじゃないから恥ずかしくないもん!(褌をはいた大男)

エヴァンゲリオン(旧劇場版)

伊藤の手によるプロローグから違和感なく続いているが、文章は明らかに円城だ。読みづらい。読了まで10日を要した。しかし「虐殺器官」と「ハーモニー」が特別読みやすかっただけという気もする。「The Indifference Engine」所収の短編も総じて読みやすかったが、「メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット」はそうでもなかった。違和感なくと言ったが、それは全部伊藤計劃が書いたと言われたら納得してしまうだろうという意味で、ざっと読みなおしてみると、プロローグと第一章の間の三ヶ月で一気におっさん化しているように感じられた。この手記はワトソン視点でフライデーが書いているということになっているのだが、どの時点で書かれたのかはっきりしない。リアルタイムではないはずで、事後の口述筆記なのか、フライデー作のノンフィクションなのか。

フランケンシュタイン、物語とくれば「エイダ」を連想する。

死者が蘇るという混沌、それを技術的に制御する人間、しかし暴走する屍者、などの設定は、やはりLNCで来たか、と心を沸き立たせるものがあったが、期待していたニュートラルルートとしての結末はなかった。
「虐殺器官」「ハーモニー」とは別の世界なので、仕方がないような気もする。
だが、まあ、混沌と秩序が入り乱れているのは中庸と言っても良いのではないか。
無理やりシャーロック・ホームズの前日譚にしてしまったのも、かなりのサプライズだった。
いくらワトソンが主人公とはいえ、まさか屍者の存在する世界とかの聖典が連続するなんて思いもよらなかった。

エイダ (ハヤカワ文庫 JA (599))
山田 正紀
早川書房
売り上げランキング: 364,808

小川一水「青い星まで飛んでいけ」

青い星まで飛んでいけ (ハヤカワ文庫JA)
小川 一水
早川書房
売り上げランキング: 137,725

内容紹介
それは人間の普遍的な願い。

彗星都市での生活に閉塞感を抱く少女と、緩衝林を守る不思議な少年の交流を描く「都市彗星のサエ」から、
“祈りの力で育つ”という触れ込みで流行した謎の植物をめぐる、彼と彼女のひと冬の物語「グラスハートが割れないように」、
人類から“未知の探求”という使命を与えられたAI宇宙船エクスの遙かな旅路を追う表題作まで、
様々な時代における未知なるものとの出逢いを綴った全6篇を収録


「都市彗星のサエ」青春だな。
「グラスハートが割れないように」いい話かな。既読だが完全に忘却していた。
「静寂に満ちていく潮」これが異文化交流だ!
「占職術師の希望」なんだか引きこまれた。
「守るべき肌」好みだ。
「青い星まで飛んでいけ」面白かった。途中から展開が予測できるなと思っていたらこれも既読だった。
解説は半分くらい理解できなかった。わかる人にはわかるのだろう。

山本弘「シュレディンガーのチョコパフェ」

シュレディンガーのチョコパフェ (ハヤカワ文庫JA)
山本 弘
早川書房
売り上げランキング: 255,376

内容(「BOOK」データベースより)
キャラグッズの買い物につきあってくれる裕美子は、俺にとって最高の彼女。でも、今日のデートはどうにも気分が乗らない。久々に再会した旧友の科学者、溝呂木がこの世界の破壊を企んでいるらしいのだ―アキバ系恋愛に危機が迫る表題作、SFマガジン読者賞受賞の言語SF「メデューサの呪文」、孤独なサイボーグの見えざる激闘を描く「奥歯のスイッチを入れろ」など7篇を収録。


「シュレディンガーのチョコパフェ」都合が良すぎるだろ。情景を想像しながら読むと実に気持ち悪い。
「奥歯のスイッチを入れろ」意図がわからないな。プロローグあるいはイントロとしてなら理解できなくもない。そうか、打ち切り漫画っぽいのだ。
「バイオシップ・ハンター」これぞSF!って感じ。6割ぐらい理解できなかったけど。
「メデューサの呪文」これはすごい。『ドグラ・マグラ』とか『虐殺器官』とかを思い出した。現実と地続きの設定だったらもっと幻惑されたかもしれない。
「まだ見ぬ冬の悲しみも」外れクジってことだな。アイディアは面白いけど論理的に正しいのかな。どうも納得できない。
「七パーセントのテンムー」既読。私は哲学的ゾンビだ。
「闇からの衝動」元ネタがわからないから何とも言えない。
解説に感じたことが大体書いてあった。

円城塔「後藤さんのこと」

後藤さんのこと (ハヤカワ文庫JA)
円城塔
早川書房
売り上げランキング: 29,362

内容(「BOOK」データベースより)
さまざまな「後藤さん」についての考察が、やがて宇宙創成の秘密にいたる四色刷の表題作ほか、百にもおよぶ断片でつづられるあまりにも壮大で、かつあっけない銀河帝国興亡史「The History of the Decline and Fall of the Galactic Empire」、そしてボーイ・ミーツ・ガール+時間SFの最新型モデル「墓標天球」など、わけのわからなさがやがて圧倒的な読書の快楽を導く、さまざまな媒体で書かれた全六篇+αを収録。


「後藤さんのこと」何が何やら。色んな物を後藤さんで代用した文章のように思われるが、私のこの認識はきっと間違っている。一言で言うと、わからない。

「さかしま」二人称小説というところに仕掛けがありそうだと見当をつけつつ読んだ結果、わからなかった。11を読み直すと少しわかった気がした。メタフィクションだったという理解で正しいだろうか。ここに書かれている内容を否定することはできないということだ。ゲーデルのあれだな。

「考速」わけがわからない。書いてあることはおぼろげにではあるが理解できる。しかしその意味となるとさっぱりだ。専門書を想起させる言葉遣いはリーダビリティを損なう事この上ない。

「The History of the Decline and Fall of the Galactic Empire」これは何だろう。まじめに整合性のとれたストーリーが読み取れるのだろうか。残念ながら理解できなかった。

「ガベージコレクション」これは多分ものすごく単純な話なのだ。説明はできないけれど。科学的妄想小説ということにしておこう。

「墓標天球」またしてもメタフィクションだったが構造は幾分わかりやすい。α、β、γの三人の視点で語られる物語。αは少女、βは少年、γは時間を逆行するβ。時間の流れを空間に落とし込む場合、それぞれが直角に交わる円とすると、交点は6つ。ゆえに6つの場面で語られる。立方体の例えでも良い。なぜそのような交わり方をしているのかはそうであるからとしか答えられない。円環というものは閉じているものなので時間もループする。誰かがこじ開けてくれたら、どうしようもない現状から解放されるかもしれない。

「[付録]INDEX」索引のみで構成されたメタ小説。この形でしか成立し得ない。よくもまあ思いついて実行するものだ。

伊藤計劃「The Indifference Engine」

The Indifference Engine (ハヤカワ文庫JA)
伊藤 計劃
早川書房
売り上げランキング: 26422

内容紹介
ぼくは、ぼく自身の戦争をどう終わらせたらいいのだろう・・・・・・
戦争が残した傷跡から回復できないアフリカの少年兵の姿を生々しく描き出した表題作をはじめ、
盟友である芥川賞作家・円城塔が書き継ぐことを公表した『屍者の帝国』の冒頭部分、
影響を受けた小島秀夫監督にオマージュを捧げた2短篇、
そして漫画や、円城塔と合作した「解説」にいたるまで、
ゼロ年代最高の作家が短い活動期間に遺したフィクションを集成。


「女王陛下の所有物」007。詳しくないのでよくわからない。オールカラーコミックは新鮮だった。
「The Indifference Engine」既読。善意の気持ち悪さがよく描かれている。
「Heavenscape」プロローグと第1章とハイライトで構成されている。多分未完。きっとエピグラフの内容がそのままテーマなのだろう。
「フォックスの葬送」メタルギア。やはり情報が足りない。一度プレイすべきか。
「セカイ、蛮族、ぼく。」爆笑した。こういう狂った感じが好きみたいだ。
「A.T.D:Automatic Death■EPISODE:0」コミック。ハードボイルドな感じ。何となくわかるこの説明具合は絶妙。
「From the Nothing,With Love.」既読。最初のマンガでイメージすると以前に読んだ時とは印象が変わった。
「解説」うーん、わからん。
「屍者の帝国」盛り沢山だ。先が予想できない。円城版を読まなければ。
解説は誠に解説らしかった。こういうのは久々だ。

貴志祐介「新世界より 下」

新世界より(下) (講談社文庫)
貴志 祐介
講談社 (2011-01-14)
売り上げランキング: 172

内容説明
夏祭りの夜に起きた大殺戮。悲鳴と嗚咽に包まれた町を後にして、選ばれし者は目的の地へと急ぐ。それが何よりも残酷であろうとも、真実に近付くために。流血で塗り固められた大地の上でもなお、人類は生き抜かなければならない。構想30年、想像力の限りを尽くして描かれた五感と魂を揺さぶる記念碑的大傑作! PLAYBOYミステリー大賞2008年 第1位、ベストSF2008(国内篇) (講談社文庫)


なんというか、長いんだな。
ダイジェスト版とか、2時間ちょっとの映画になったりしたら、文句なしの面白さだろう。
伏線は十分に張ってあるのに、何故かドラマ性が薄い。
淡々としているという意味では高評価にもなりうるのだろうが、それにしては長いのだ。
結局、長いの一言に尽きるようだ。
尻すぼみではなかっただけでよしとすべきだ。

貴志祐介「新世界より 中」

新世界より(中) (講談社文庫)
貴志 祐介
講談社 (2011-01-14)
売り上げランキング: 491

内容説明
町の外に出てはならない――禁を犯した子どもたちに倫理委員会の手が伸びる。記憶を操り、危険な兆候を見せた子どもを排除することで実現した見せかけの安定。外界で繁栄するグロテスクな生物の正体と、空恐ろしい伝説の真意が明らかにされるとき、「神の力」が孕(はら)む底なしの暗黒が暴れ狂いだそうとしていた。(講談社文庫)


バケネズミがきな臭い。
人類総AKIRA化。
SEX。

「アバタールチューナー」を読んだばかりなので、類似点が目についた。

この感じどこかで読んだことがあると思っていたけれど、やっと思い出した。新しい太陽の書に似ているのだ。

所々でバッドエンドがほのめかされているが、それは一体どちらから訪れるのだろう? 社会の内か外か、あるいは両方か。

SFをあまり読まないからよくわからないが、現実より文明レベルの低い管理社会は珍しいと思った。この歪過ぎる形には原因があるのだろうか?

貴志祐介「新世界より 上」

新世界より(上) (講談社文庫)
貴志 祐介
講談社 (2011-01-14)
売り上げランキング: 305

内容説明
1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖(かみす)66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。周囲を注連縄(しめなわ)で囲まれたこの町には、外から穢れが侵入することはない。「神の力(念動力)」を得るに至った人類が手にした平和。念動力(サイコキネシス)の技を磨く子どもたちは野心と希望に燃えていた……隠された先史文明の一端を知るまでは。 (講談社文庫)


「新世界より」と言えば誰もが一度は耳にしたことがあるドヴォルザークの交響曲第9番がまっさきに思い浮かぶ。それが関係あるのかないのかわからないが。
面白くなるまで200ページもかかった。全体の割合からは導入として妥当なのかもしれないが、いかんせん長い。ひぐらしスタイルだ。
世界の秘密は上巻の時点でほぼ明かされた感があり、この先さらなる驚愕の真実があるとは思えない。一方で渡辺早季の手記という形式だから、アクロイドみたいな騙りがあるかもしれない。こういう勘繰りをするから楽しめないのだ。
どうでもいいけど稲川淳二全否定に笑わされた。

アニメ第1話を見たけれど小説を読んでないとさっぱりわからないだろうなというのが感想。

「新世界より」 一 [Blu-ray]
ポニーキャニオン (2012-11-30)
売り上げランキング: 2407

五代ゆう「クォンタムデビルサーガ アバタールチューナーⅤ」

アバタールチューナーⅤ (クォンタムデビルサーガ)
五代 ゆう
早川書房
売り上げランキング: 128546

内容紹介
神に成る

キュヴィエ症候群の研究施設〈EGG〉の閉鎖から数年後、
太陽光を浴びることが死に 直結する世界で、
サーフらは地下に逃れたローカパーラの人々に出会う。
彼らの協力を得て、セラを奪還すべく
〈協会〉の本拠地を目指したエンブリオンのメンバーだったが、
その眼前に思いもよらない人物が立ちはだかった。
人間と悪魔が楽園を追い求めた闘いの行方とは……

世界の崩壊と再生を描いた本格SF大作、悠久の完結篇


すごかった。
ここまで来るとゲーム版とは全くの別物。
上手いこと伏線を拾いに拾いまくって、この辺りはやはり小説だな。
結末はどこかで読んだことのある感じだったが、完全にSFだった。
全知全能の神との対決は常に決着がつかないものであるらしい。
エピローグに当たる部分でこれ以上ないほどわかりやすくまとめられているので、読み返す必要性を感じない。親切な構成だ。
ⅠとⅡはファンタジー、ⅢですべてがSFになり、Ⅳ・Ⅴで神話になった。
ゲームの空港で一人また一人と仲間がいなくなる喪失感も好きだったけれど、こちらの展開も悪くない。
また誤植;73p「ジケット」


ATLUS BEST COLLECTION DIGITAL DEVIL SAGA ~アバタール・チューナー~
アトラス (2006-03-23)
売り上げランキング: 936

ATLUS BEST COLLECTION DIGITAL DEVIL SAGA ~アバタール・チューナー2~
アトラス (2006-03-23)
売り上げランキング: 1157

五代ゆう「クォンタムデビルサーガ アバタールチューナーⅣ」

アバタールチューナーⅣ (クォンタムデビルサーガ)
五代 ゆう
早川書房
売り上げランキング: 15126

内容紹介
神に挑む

ジャンクヤードの消滅に巻き込まれたのち、
黄色い空に黒い太陽が昇る世界に再生したサーフ。
そこにはセラの話していた〈楽園〉とは程遠い、荒廃した大地が広がっていた。
エンブリオンのメンバーの行方もわからぬまま困惑するサーフは、突如アートマに変じた戦闘部隊の襲撃を受ける。
彼らはサーフを、〈協会〉によって開発された戦闘用バイオメカニック〈ASURA-01〉と呼ぶが……新たな神話を描く第4巻


そういえばしばらくセラがパーティーに加入したな。ほとんど忘れていたので驚いた。このペースだとエンディングは変わるのではないか。とてもラストダンジョンに突入できそうにない。DDS2と言えば所長なだけに、彼が登場しなかったのは残念だ。

五代ゆう「クォンタムデビルサーガ アバタールチューナーⅢ」


内容紹介
神に問う

太陽光を浴びると身体が結晶化し、やがて死に至る奇病・キュヴィエ症候群が猛威を振るう近未来の地球。
共感能力を持つ精神技術者の穂村一幾は、亡き恋人・蛍の双子の兄である水無瀬眞に〈EGG〉なる研究施設へ呼び寄せられた。
そこで彼を待っていたのは、〈神〉と交信するという黒髪の少女セラだった。
一幾はその能力を使ってセラと〈神〉との対話を分析するよう依頼されるが
……すべての発端を描く第3巻


ソウルハッカーズを買ったのでペースが一気に落ちた。一応クリアしたのでこれから読書に励むつもりだ。それにしてもすれ違いの仕様は恨めしい。

今巻はすべての発端、過去のニルヴァーナ=現実世界の出来事が描かれている。ゲームではイベントムービーとして挿入されていた部分だ。内容はほとんど別物だがあらすじとしてみるとほぼ同じ。新訳、あるいは換骨奪胎。クォンタムである理由はとりあえず一つ判明。それが今後の物語にどう影響するのかは未知数だ。
セラの目覚めは妙な既視感があった。しばらくして思い出したのは「PLUTO」だった。魂とは何か。AIとゴースト。

誤植;106p「セラフィーた」久しく誤植に気づくことがなかったので驚いた。

五代ゆう「クォンタムデビルサーガ アバタールチューナーⅡ」


内容紹介
神に抗う

〈エンブリオン〉のサーフらが得たのは異形への変身能力と引き換えに、人間の血肉を欲する悪魔の力アートマだった。
ヒトがヒトを喰らう非情な戦いに、ジャンクヤードの戦況は一変する。
〈教会〉の支配に不信を抱いたサーフは、アートマの暴走を抑える血を持つセラを守ることを決意。
生存をかけ、ジナーナ率いる〈メリーベル〉共闘し、〈ソリッド〉を攻略する。
しかしその直後、意外な人物が現われ……急転の第2巻


やはり物語の骨格の変更には至っていないが、だんだんとゲームとの違いが大きくなってきた。
面白いのだが特に感想はない。ゲームをやっていたらここまでは予定調和だからだ。
この先はサーフのモデルが生きているというところがポイントになるだろうか。

五代ゆう「クォンタムデビルサーガ アバタールチューナーⅠ」


内容紹介
神に乱る

荒廃の地ジャンクヤードでは、勝利者を楽園へ迎え入れると説く〈カルマ教会〉の支配の下、
6つのトライブがいつ果てるとも知れぬ戦いを続けていた。
しかし、そんなトライブのひとつ〈エンブリオン〉のサーフらが交戦中、
謎の蕾と黒髪の少女セラに遭遇した刹那、世界の掟は根本から覆される。
彼らは状況を探るべく抗戦相手の本拠地を訪れるが、そこで悪魔の力が発動し……

神への漸近を描く本格SF大作開幕篇。


買ってから1年以上放置していた。すでに最終巻まで手元に揃っているのであとは読むだけ。

あとがきで作者自身が語っているように、これはゲームのノベライズではなく原案小説である。設定や筋立てはほぼ同じだが、序盤からゲームとは違う展開を見せているところが多々あり、そしてそれは決して細かいとはいえない違いなので現段階では結末を想像できない。

それにしても読み始めた当初は不安になった。奇妙なほど読みにくいのだ。ゲームをプレイ済みでなければ理解できなかったであろう(過去推量!)自信がある。だがその不安も物語が第3章に差し掛かる頃には払拭された。原因はよくわからない。気になったのは情景描写がことごとく私の想像力に訴えかけてこないことだ。この辺りは相性なのかな。
異能の力と感情とが同時に覚醒するのは興味深い。カルマだ。
タイトルが”デジタル”から”クォンタム”に変更された理由も気になる。1か0かではなく、その中間もありうるという意味だから……いや、そもそも二元論的な対立があっただろうか。ゲームをやっていた頃はより卑近な意味での”デジタル”だと捉えていたので特に考えることもなかったが。

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