光原百合「十八の夏」

十八の夏 (双葉文庫)
十八の夏 (双葉文庫)
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光原 百合
双葉社
売り上げランキング: 51482

「十八の夏」騙りの手段はアクロイド的。語り手の頭が悪いのも古典的。
「ささやかな奇跡」白眉は大家さんの事情。傍点がなければ流し読みするところだった。
「兄貴の純情」子ネタ一つで弱い。ラノベか。
「イノセント・デイズ」このタイトルはどうか。長さの割には薄っぺらい。
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山田正紀「女囮捜査官5 味覚」

おとり捜査官 5 味覚 (朝日文庫)
山田 正紀
朝日新聞出版
売り上げランキング: 327273

三重密室のトリックはドラマのせいで最初から知っていた。
入れ替わりも予想の範疇。
犯人にも意外性はない。
わからないのは、なぜ犯人が権力を壊そうとしたのかという点だ。
殺人やそのための手段には大した動機は必要ないが、なぜある意味で壮大な計画を立ててまでそんなことをしたのかが全然わからない。
それにしてもあのラストはすごい。
バカっぽいのはご愛嬌か。

奥泉光「グランド・ミステリー」

グランド・ミステリー〈上〉 (角川文庫)
奥泉 光
角川書店
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グランド・ミステリー〈下〉 (角川文庫)
奥泉 光
角川書店
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ジャンルミックス小説だ。
謎解きは意外と本格なので驚いた。
そこはある意味ではどうでもいいのだが。
解説によると、多様な読み方ができるらしい。
その通りだと思う。
無闇に長いと感じるのは、文字数ではなく、冗長な文体のせいだ。
もっと読みやすい文体でエンタメに徹してくれれば、もっと面白いのに。

筒井康隆「最後の喫煙者」

最後の喫煙者―自選ドタバタ傑作集〈1〉 (新潮文庫)
筒井 康隆
新潮社
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「急流」タイトルがすごいみたいだ。
「問題外科」グロテスク。なぜか謎が残った。
「最後の喫煙者」こういうのを読むと筒井康隆を思い出す……って本物だ。
「老境のターザン」ジェーンが笑える。鬼畜ターザン。
「こぶ天才」これは風刺なのか?
「ヤマザキ」タイトルの意味が不明。
「喪失の日」壊れ方がなかなか。しかしナンセンスではあるが非日常ではない。
「平行世界」無限?構造が面白い。冒頭と末尾である。
「万延元年のラグビー」桜田門外の変がまさかのラグビー! 最後に意外な種明かし??

小林泰三「目を擦る女」

目を擦る女 (ハヤカワ文庫JA)
小林 泰三
早川書房
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まず、表題作「目を擦る女」。これはファンタジーの様相を呈しつつ、ミステリ的なオチを見せ、最後にSFホラーになるというにぎやかな作品。
次、「超限探偵Σ」。これは論理的。語り部のオトボケ具合が絶妙なせいで探偵の衝撃的な論理が際立つ。
三つ目、「脳喰い」。最後の一撃が見事に決まっている。虚実反転、とは言えないな。
「空からの風が止む時」。世界は箱庭であった。
「刻印」。これは傑作ではないか? キモイラブストーリーかと思いきや、まさかのオチ。
「未公開実験」。これは弱いな。論理的ではある。
「予め決定されている明日」。これは最後が恐い。ああいう人たちの心理とはこういうものなのだろうか?

瀬名秀明「デカルトの密室」

デカルトの密室 (新潮文庫)
瀬名 秀明
新潮社
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このボリューム。
SF薀蓄系。
チューリング・テスト、中国人の部屋、脳内のホムンクルス・・・。
親切に説明してはいるが、わからないものはわからない。
引用の多用がその原因か。
フランシーヌと真賀田四季のイメージが重なった。
なぜだろう? 要素としては天才、美人という点だけなのだが。
トリックはバカ系。
この物語での密室とは、章題にもあるとおり、機械、脳、宇宙の三重密室だったということだ。
流し読みできる物語ではない。
さらに、一人称視点が多く、視点人物が誰なのか混乱する。
時間もダイナミックに前後するため混乱を助長する。
エンターテインメントとしてはどうだろう?
それほど楽しめなかった、というのが感想である。

西尾維新「不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界」


見事にやられた。
バカだ。バカミスだ。
一番の仕掛けはイラストだ。しっかりと描かれている。明らかにこちらの不注意だ。叙述を疑ってかかれば謎なんて一つもない。
ところでバックアップってどういう意味だろう?

有栖川有栖編「有栖川有栖の本格ミステリ・ライブラリー」


巽昌章「埋もれた悪意」本格だ。
白峰良介「逃げる車」論理的だろうか?
つのだじろう「金色犬」大いに笑った。少年探偵って(笑)
ロバート・アーサー「五十一番目の密室」実にスマート。
W・ハイデンフェルト「〈引立て役倶楽部〉の不快な事件」確かこのネタは聞いたことがあった。
余心樂「生死線上」ややこしい。やっぱりアリバイ崩しはダメだ。
上田廣「水の柱」時代は古いようだが、文体は読みやすい。地味な事件、謎もこれといって見当たらない。が、これはアクロバットだ(笑)。タイトルの意味は?
海渡英祐「「わたくし」は犯人」トリックを使い捨てるというトリック。意味はわかる。「悪意」もこういう仕掛けだったな、と思った。
ジョン・スラデック「見えざる手によって」錯誤というのはすぐにわかった。他の可能性を排除しているからだ。そうなると状況から犯人は一人に絞られる。しかし、そこで私は間違った。まさかそんな単純なトリックだったとは。

 総じて読みやすく、すべて初見だったので楽しめた。あまりガチガチの本格ばかりでないのもよかった。

原尞「わたしが殺した少女」

私が殺した少女 (ハヤカワ文庫JA)
原 りょう
早川書房
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タイトルは秀逸だが、内容と照らし合わせるとどうだろうか。
どんでん返しというよりは二重解決か?
いや、やはりどんでん返しだな。
緻密なプロットとはこういうことか、と納得。
直木賞的なエンターテインメントだった。
結局、家族の話。
そうだ!
どことなく「頼子のために」に似ている。
そうか!
法月はハードボイルドだったのか。
意外なところに納得。

原尞「そして夜は甦る」

そして夜は甦る (ハヤカワ文庫 JA (501))
原 りょう
早川書房
売り上げランキング: 57052

ハードボイルドっぽいハードボイルド。
といってもこれまでに読んだハードボイルドといえば、「さむけ」だけだけど。
ハードボイルドは西海岸じゃないと駄目といったのは誰だっけ?
人間関係がややこしく、何が起きているのか断片的にしかわからない。
張り巡らされた伏線、意外な真相……要素的には十分本格か。

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