ジーン・ウルフ「独裁者の城塞 新しい太陽の書④」

独裁者の城塞 新しい太陽の書 4 (ハヤカワ文庫SF)
ジーン・ウルフ
早川書房
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ペルリーヌ尼僧団を探して北へ向かうセヴェリアンは兵士の死体を見つけ、“調停者の鉤爪”で蘇生させる。
彼は言葉をなくしていた。
セヴェリアンは熱病に冒され、気がつくと目的のペルリーヌ尼僧団のキャンプにいた。
アスキア人と初めて会う。
パリーモン師の過去。
“鉤爪”を台座に隠し、女城主の依頼で“最後の家”に向かう。
底に住む老人は未来人だった。
セヴェリアンは時間を再認識することでこれまでの謎をいくつか解決する。
彼を連れ帰ることが依頼の内容だったが、彼は時間軸上に確率的に存在しているらしく、“最後の家”から離れるに連れて徐々に消えていった。
野営病院に戻ると、そこは壊滅していた。
非正規軍に合流し、戦争に参加する。
死にかけ、独裁者に助けられるが、飛翔機がアスキア人により撃墜され、アギアに救われ、ヴォダルスのもとへ連れていかれる。
そこで囚われの身となるが、瀕死の独裁者の脳を食し、新たな独裁者となると、予言をしていた緑人とアギアが救出に現れ、反逆者はアギアによって殺害され、彼女がそれに取って代わった。
セヴェリアンは神殿奴隷(?)から世界の真実を知らされる。
なんだかんだあって“城塞”に帰還。
話としては興味深かったが、結局どういうことなの?って感じ。
時間が?二週していて?セヴェリアンの父がオウエンで?その母がドルカス?“時の回廊”?
わからないことだらけだが、面白くはあった。
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ジーン・ウルフ「警士の剣 新しい太陽の書③」

警士の剣(新装版 新しい太陽の書3) (ハヤカワ文庫SF)
ジーン・ウルフ
早川書房
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またしてもセヴェリアンは過ちを犯した。
そして逃亡者となる。
謎の生物の操り主はヘトールで、彼はジョナスと関わりがあり、アギアの仲間だった。
幼いセヴェリアンと旅を続ける。
そして魔術師たちとの決闘。
険しい山の上の巨大な遺跡でセヴェリアン(小)が燃える。
セヴェリアンはテュポーンと名乗る双頭の男と出会い、ついていくが、彼は元支配者だった。
セヴェリアンはもうひとつの頭を破壊しテュポーンを殺した。
山を下る。
一年かけて湖畔の村に至るが、拘束され、鉤爪を奪われる。
支配者の城に連行される中途で湖の者に助けられ、彼らの指揮官として鉤爪を取り返すため城に向かう。
城にいたのはバルダンダーズとタロス博士だった。
そこで彼らと退化人に関する秘密が明らかとなる。
バルダンダーズとの戦い。
バルダンダーズは湖に沈み浮かんでこなかった。
鉤爪は壊れたが本体は無事だった。
まだ混沌としている。
ドルカスは元死人。
退化人は優れた文明を持つらしい。
戦争の相手は誰なのか、なぜ戦うのか。

ジーン・ウルフ「調停者の鉤爪 新しい太陽の書②」

調停者の鉤爪(新装版 新しい太陽の書2) (ハヤカワ文庫SF)
ジーン・ウルフ
早川書房
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ハイライトはジョナスの正体だろう。
ワープ装置らしきものまで登場。
ただのファンタジーに収まらないのはこういう点らしい。
さらに“紺碧の家”の主人が独裁者その人であるという。
それにしてもわからないな。
文章が日本語として破綻しているとしか思えない。
しかしあらすじを追うだけでも十分に面白い。

道尾秀介「シャドウ」

シャドウ (創元推理文庫)
道尾 秀介
東京創元社
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予想外の展開の連続はさすがに本格ミステリ大賞受賞作だが、それほど楽しめなかったというのが率直な感想である。
この手の小説は問題あるいは考えるべき謎が曖昧なため、予想の斜め上を行く展開があっても、その予想自体が不安定なので「やられた」感に乏しいのだ。
構造としては、少年の冒険譚と父親の復讐劇といったところか。

島田荘司「帝都衛星軌道」

帝都衛星軌道 (講談社文庫)
島田 荘司
講談社
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これはもはやミステリーではない。
日本人はクズだという主張だ。
特に権力を持った人間は手に負えない。
そして弱者は常に虐げられる。
ピカレスクな郡司の言葉の説得力といったら……。
トリックは単純この上ないが意外性たっぷり。
これはやはりミステリーだ。

ジーン・ウルフ「拷問者の影 新しい太陽の書①」

拷問者の影(新装版 新しい太陽の書1) (ハヤカワ文庫SF)
ジーン・ウルフ
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物語としては序章なのだろう。
四百ページを優に超えるボリュームだが、ストーリーはあまり展開しない。
まず墓場でのヴォダルスとの出会い。
セヴェリアンとセクラの恋の顛末。
彼女を自殺させたことで組合を追われることになったセヴェリアンの旅路。
アギアとの出会い。
謎の決闘。
ドルカスとの出会い。
アギルスとアギアの策略。
ドルカスの謎。
“調停者の鉤爪”とは?
と、こんな感じで、壁を通り抜ける途中で終わる。
まだまだこれからだ。
第1巻を読み終えて、どこがSFなのか、疑問に思っていたら、解説にネタバレがあった。もう驚愕は味わえなさそうである。こういう解説は最終巻でしていただきたい。
あとがきを読むと作者の立場は未来の書物の翻訳者ということになっているらしい。
ついでにこの物語を書いているセヴェリアンは現在“絶対者の家”にいてどうやら独裁者となっているようだ。

山田正紀「風水火那子の冒険」

風水火那子の冒険 (光文社文庫)
山田 正紀
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「サマータイム」これは何だろう?何が起きているのかわからない。
「麺とスープと殺人と」色盲という本格っぽいガジェット。語り部のキャラクターが秀逸。
「ハブ」タイトルの意味がわからない。《ハブ》なのか《hub》なのか《have》なのか。どっちにしてもピンと来ない。
「極東メリー」メリーセレスト号事件の解決。

北村薫「六の宮の姫君」

六の宮の姫君 (創元推理文庫)
北村 薫
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結局のところ、アカデミックな話題は肌に合わないということらしい。
知的興奮を覚えないこともないが、圧倒的な知識の不足は明らかにリーダビリティを損なっている。
引用文なんか、日本語としてわからない。もはや英語よりもたちが悪い。
が、それでも面白くないわけではない。
「ロシア幽霊軍艦事件」の例もあるように、謎・証拠・論理的推論が揃えば、題材に関係なく面白いのだ。
今回、特に興味深かったのは、文豪たちの関係性である。
菊池寛?誰それ?というのが当初の率直な思いだった。
しかし、文献から明らかになることは人間的だ。

北村薫「秋の花」

秋の花 (創元推理文庫)
北村 薫
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まずは「私」のもとに届く怪文書の謎。
誰がなぜ?
少女の死。そもそも他殺の線はない。
何が起きたのか?
怪文書の不可能性。生と死。不運。罪と罰。そして、赦しあるいは救済。
事件の構図は犯人による挑戦状である。
結論はそれ以外にあり得ない。だから意外ではない。
だが同じ筋書きを凡百の小説家が描いても、ここまでまとめることはできないだろう。
推理に不要な部分が多すぎるのだ。
しかし、その部分はテーマを象徴している。
もしなかったら駄作だっただろう。

北村薫「夜の蝉」

夜の蝉 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)
北村 薫
東京創元社
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これはすごいの一言に尽きる。
「朧夜の底」前作で印象的だった悪意を今度はサイコ・ホラー風に。
「六月の花嫁」本格っぽい謎。ごめんねの一言に秘められた想い。探偵の一言に鳥肌が立ったのはなぜか?それはまったく予想してなかったからだ。しかしそうなることはわかっていたような気がする。
「夜の蝉」そして姉妹へ。またしても悪意。しかし、この程度の悪意は日常的にある。その意味ではまさに日常の謎だ。こうなってくると姉の存在がとてつもなく魅力的だ。
短編集というより中編集だが、各々の中編だけでなく、その構成が完璧なのだ。感動したのはいつ以来だろう?

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