瀬名秀明「第九の日」

第九の日 (光文社文庫)
瀬名 秀明
光文社 (2008-12-09)
売り上げランキング: 417667

「メンツェルのチェスプレイヤー」相変わらずわからない。終盤の《ぼく》の混線はどういう意味なのだろう。先に「デカルトの密室」を読んでいたので叙述トリックには引っかからなかった。
「モノー博士の島」超人理論。徹頭徹尾絵空事。
「第九の日」読者の予定調和を見事に打ち砕く展開。自己がどうのといわれてもまったく理解できない。
「決闘」これはつまるところエピローグらしい。総じて意味不明。難解なのか。結局、ルール設定が曖昧なせいで、世界観がまったく理解できない。
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連城三紀彦「人間動物園」

人間動物園 (双葉文庫)
連城 三紀彦
双葉社
売り上げランキング: 117509

評判通りの傑作である。
誘拐事件からの構図の逆転は「わたしが殺した少女」を思い出した。
そして、それだけにはとどまらず、もう一層奥の真相が・・・。
物凄い大事件かと思ったものが、たった一人の男の私的な復讐に収斂した。
しかし、国家権力を拉致誘拐するという話はバカミス以外の何物でもない。
本格好きに好まれるのはわかるけれど。

貫井徳郎「被害者は誰?」

被害者は誰? (講談社文庫)
貫井 徳郎
講談社
売り上げランキング: 60852

表題作;トリックは単純。伏線があからさますぎるようだ。構図の逆転である。
「目撃者は誰?」まず吉祥院先輩による合理的な説明があり、そして読者の視点からすべての伏線を回収した真相が語られる。またしても逆転。
「探偵は誰?」誰が探偵なのかはすぐにわかった。ミスリーディングの手口が拙い。事件の解決そのものは非常に論理的且つ古典的。
「名探偵は誰?」小ネタだが、連作形式を利用したある意味大技である。不覚ながら騙されてしまった。しかし、カタルシスは感じなかった。短いからだろうか。

井沢元彦「猿丸幻視行」

新装版 猿丸幻視行 (講談社文庫)
井沢 元彦
講談社
売り上げランキング: 120011

あらすじ;主人公は時間遡行ができる薬の被験者となり、二十世紀初頭の折口信夫の体に入り込む。そこで柿本人麻呂と猿丸太夫に関する暗号を解くことになり・・・という話。
殺人事件はおまけみたいに出てくるのだが、その物理トリックがいかんせんお粗末過ぎる。
暗号に関してはこじつけ以外の何物でもない。
この手の小説にこういう印象はつきものだとは思うが、それにしてもつまらない。
推理の行き着く先はトンデモな結論なのだが、推理の展開がまったく意外ではないのだ。
着実なのだと褒めることもできる。
万葉仮名が曲者である。
暗号そのものなので頻繁に出てくるのだが、これのせいで読みにくいことこの上ない。
しかし、それを差し引いても、平易な文章の割にはリーダビリティが低い。
ちょっとバカっぽいのはご愛嬌か。
まあ、早い話、文学的な話がただ生理的に合わないということだ。
新装版じゃなかったら読もうとも思わなかっただろう(字が小さいから)。
しかしながら、聞いたことのある和歌が出てきたのはわたしの知識の賜物だろうか、それともただの常識なのか。
どうでもいいけどね。

北村薫「朝霧」

朝霧 (創元推理文庫)
朝霧 (創元推理文庫)
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北村 薫
東京創元社
売り上げランキング: 43548

「山眠る」校長エロ本大量購入の謎と校正時に定期的に現れる食い違いの謎。どちらも小粒。タイトルとなっているのは俳句の一部であるが、その点は文学的かつ詩情的なため、わたしには理解できない。
「走り来るもの」タイトルが意味するものはライオンだった。重い話。そして取って付けたような幸せ報告。しかし時間が加速している。
「朝霧」昭和六年の恋物語。暗号解読はロジカルではあってもフェアじゃない。忠臣蔵なんて知りもしない現代っ子なのだ、わたしは。

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