米澤穂信「ボトルネック」

ボトルネック (新潮文庫)
米澤 穂信
新潮社
売り上げランキング: 112391

一見すると、とても本格ミステリとは思えない。
本格としてのガジェットが見当たらないからだ。SFのラノベって感じ。
この著者の作品を読んでいてたびたび思ったことが、ひとつ明確になった。
日常の謎は、それはそれで面白いものなのだが、謎が謎であるとこちらが気づく前に解決してしまうのだ。
逆に言えば、答えを示されてから、ああ、あれが謎だったのねって気づかされる。
この中でもっともミステリっぽい、事故死の矛盾点の指摘は、お粗末トリックで少し残念だった。
となると、驚きどころといえば、タイトルにもなっている「ボトルネック」の意味なのだが、これは痛い。
けれど、それ自体は最初から明らかなわけで、終盤で主人公が気づいても、遅えよ、とつっこみたくなるだけだ。
しかし、評価すべきはこんなところではない。
登場場面の少ないフミカの人物造詣だ。
この黒さはたぶんこういう描き方でないと表現できないだろう。
なぜそうなるのか説明を放棄しているところがすばらしい。
そこを描いてプラス50ページなら駄作だと感じただろう。
そして結びは、見事な切れ味のメール一文。
救えない感じがすばらしかった。
スポンサーサイト



検索フォーム
最新記事
リンク
カウンター
カテゴリ
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
カレンダー
09 | 2009/10 | 11
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
QRコード
QR