三津田 信三
光文社
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短編集。
「赫眼」フィニッシュブローが見事に決まっている。
「怪奇写真家」名前だ。こういう種明かしは面白い。
「見下ろす家」ホラーっぽいけどわからん。
「よなかのでんわ」世にも奇妙な物語になりそう。映像と相性が良さそうだ。
「灰蛾男の恐怖」探偵小説として成立していてなかなか。
「後ろ小路の町家」導入部はそそる。構成で読まされた。
「合わせ鏡の地獄」鏡地獄ってどんな話だっけ。鏡の球体の中に入ってっていう場面は覚えているが、それ以外はまったく覚えてない。実はこれがホラーなのか?
「死を以て貴しと成す 死相学探偵」逆転は面白かった。赫眼が出てきたのも良かった。
総評;やっぱりホラーはわからない。捻ってあればミステリーとして面白いけれど、ただの怪談を聞いても戦慄を覚えることはない。読み方を間違えているのか鈍感なのかわからないが、自然法則の範囲の作品しか楽しめないのは確かだ。だがそこにパズル要素があれば話は別。また緻密なパズルでなくても意外な形を見せてくれればそれで満足だ。