西澤保彦「聯愁殺」

聯愁殺 (中公文庫)
聯愁殺 (中公文庫)
posted with amazlet at 11.12.11
西澤 保彦
中央公論新社 (2010-09-22)
売り上げランキング: 145798

推理。推理。推理。さすがは西澤版『毒チョコ』。推理作家が妄想を繰り広げる辺りはもう圧巻。主人公についての描写で、序盤ですでにフーダニットに関しては読めてしまった。フェアに徹するのも良いが、私のようなにわかファンにはもっと衝撃をサービスして欲しいものだ。トリックはプロットそのもの。よくあるパターンだが、一体そのピースをどこに収めるのか、というポイントで私は間違った。おかげで推理は迷宮入り。肝となるアイディアは、『被害者』=『依頼人』=『犯人´』という些か複雑なもの。しかし、整理してみると非常に単純な構造だとわかる。短い問題編と長い解答編があり、そこに隠されていた瑕疵に気づいて修正し、改めて問題編と看做すことで、真の解決にたどり着く。『メタミステリ』=『ミステリについてのミステリ』という解説は非常にわかりやすかった。確かにメタフィクションとごっちゃになっていたところだ。そこで挙げられていた二作品『グラン・ギニョール城』と『紅楼夢の殺人』は、前者は積読中で後者は最近読んだばかりなので、読み比べてみよう。共時性を感じた。また、論理はレトリックであるという主張にも共感した。形而下の論理は唯一絶対ではない。「AはBだからCである」、「AはBだからCではない」という二つの命題が同時に成立しうるのである。ところで、あの名前だけはどうにかして欲しい。せめて出てくるたびにルビを振るとか。シリーズキャラクターならともかく、読みづらくて堪らない。
スポンサーサイト



検索フォーム
最新記事
リンク
カウンター
カテゴリ
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
カレンダー
09 | 2010/10 | 11
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
QRコード
QR