芦辺拓「グラン・ギニョール城」

グラン・ギニョール城 (創元推理文庫)
芦辺 拓
東京創元社
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そしてこれである。率直な感想を先に述べておくと、あまり面白くなかった。理由はおそらく、虚実の混合の仕方が、私の好みとは違っていたからだと思う。現実が虚構に侵食される、というほうが面白いと思うのだが、本作はその逆だった。当初の作中作とのカットバックは非常に魅力的に思えたのだが、舞台を城を模したホテルに移して以後、虚構が現実に吸収されてしまって、ある意味では普通の(本質的には普通とは程遠いのだが)ミステリになってしまった。謎解きにおいては、ひとつの事象について、現実の中の劇として、また小説として多重解決が試みられており、そのアイディアは面白かった(入れ替わりのトリックはイメージできなかったが)。だが、それだけだ。メタ・ミステリとしては『紅楼夢の殺人』のほうが完成度は高いように思う。エピローグに関しては、巧いことやったな、といった感じ。
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