小林泰三「天体の回転について」

天体の回転について (ハヤカワ文庫 JA コ 3-3)
小林 泰三
早川書房
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「天体の回転について」好奇心。叶わぬ恋。世界観は長編だ。妖怪とは何か、科学はなぜ忌み嫌われているのか、宇宙ツアーの目的は何か。あらゆる伏線は回収されず、知識のない主人公の幸福で世界は閉じる。
「灰色の車輪」ロボット三原則。人間に似せて作られた物は人間を超える能力を持ったとしてもその本質において人間を超えることはできない。人がすることはロボットもするのである。だから生命というフェイタルな問題について足枷をつけておく必要がある。それが三原則だ。
「あの日」メタミステリ。なぜミステリにこだわるのか?
「性交体験者」誰が犯人なのかは重要ではなく、SF的設定のほうが衝撃的。
「銀の舟」なんとなく“新しい太陽の書”を思い出した。叙述トリックも炸裂。
「三〇〇万」ディスコミュニケーションの恐怖。どちらが野蛮か。
「盗まれた昨日」ミステリ的な仕込みはいまいちだが設定は面白い。
「時空争奪」どこまでも論理的。河川争奪の例がわかりやすい。だがどうしても納得できない。どうしてか考えてみたら答えらしきものがわかった。川が最初から川として生まれると考えるからおかしいのだ。たぶん、最初は水溜りだろう。水が溢れるかふちが崩れるかして低いほうへ伸びる。それが海へ到達して初めて川となるのである。あとがきが面白かった。
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