伊坂幸太郎「砂漠」

砂漠 (新潮文庫)
砂漠 (新潮文庫)
posted with amazlet at 11.12.11
伊坂 幸太郎
新潮社
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「春」第一章あるいは第一部といった感じ。登場人物紹介と調子に乗っている馬鹿な一般人を馬鹿にする話。青春だがぱっとしない超能力があったり、謎の通り魔『プレジデント・マン』が仙台市内を跋扈していたり、まだ物語の方向性は見えてこない。
「夏」起承転結の四部構成かと思っていたら、衝撃的には“転”だった。取り返しのつかないことには生きていればしばしば遭遇する。厳密には時間は一定の速度で流れているわけだから、あらゆることは一度きりだし、認識したときにはすでに手遅れである。そんな中で衝撃の強い出来事やいろんな意味で致命的な出来事に出会ってしまったときにのみ、取り返しのつかないことをしてしまったと後悔するのである。ばかばかしいのは好きだ。どうやらこの物語の中心にいるのは西嶋と通り魔らしい。
「秋」犬の話と大学祭の話。通り魔と強盗と窃盗団と元チャンプは伏線か。東堂―西嶋ラインがどうもフラグ建設中のようだ。あと一話だから何らかの決着があるかもしれない。なくてもよいけれど。でもなぜだろう。まったく内容が頭に残っていない。
「冬」伏線は思いつく限りすべて回収されたように思う。ここら辺りが上手い小説である。しかし完全に予想外の角度から攻撃された。まさかの叙述トリックである。驚愕という意味ではそうでもなかったけれど、衝撃度はなかなかのものだったし、何よりさむけを感じた。やはり叙述を疑って読むものじゃないな。戒めておこう。しかし、文庫派の私としては読む前の情報を遮断することは経済的に不可能なので、このあたりは検討の余地がある。はずれを引く覚悟で何でも読むか、面白いと評判の作品だけを読むか。
「春」結局、絆の話だったのか。社会は糞だが、仲間は最高だ、という結論。
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