西澤保彦「収穫祭」

収穫祭〈上〉 (幻冬舎文庫)
西澤 保彦
幻冬舎 (2010-10-08)
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収穫祭〈下〉 (幻冬舎文庫)
西澤 保彦
幻冬舎 (2010-10-08)
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ミステリーではあるが、本格推理小説ではない。
珍しく私の推理が的中したことからもそれは明らか。

田舎で起きた猟奇殺人事件を描いた第一部はまるで横溝正史のような印象で、舞台を移さずこのまま続き名探偵が登場すれば、本当にそうなっただろう。
が、続く第二部は登場人物こそ共通するものの九年後の別の街が舞台となっている。そして語り手がただ思い出すという推理の欠片も何もあったもんじゃない展開で、当時の状況がほぼ明かされるが、肝心の犯人の正体は不明なまま、新たに発生した事件も放りっぱなしで、地獄絵図で終了。
第三部では再び語り手が交代し、今度は少し推理をしながら、事件の真相に迫り、同時に時を跨いで断続的に起きていた猟奇殺人の犯人も明らかになる。
ミステリーとしてはここで終幕もありかもしれないが、そうはならず、第四部で復興した村でまたしても猟奇殺人が起き、これで一つの因果譚が完成。
そして第五部で最も古い時代が語られ、タイトルの意味がわかるという仕掛け。

長さもそうだがそれ以上にどろどろした内容でもうおなかいっぱい。
教訓としては、意図の読めない親切の裏には恐ろしい悪意がうごめいているということが読み取れる。
それにしても、こんな話をどうやって思いつくのだろうか。
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久住四季「トリックスターズC PART1」「トリックスターズC PART2」

トリックスターズC〈PART1〉 (電撃文庫)
久住 四季
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トリックスターズC〈PART2〉 (電撃文庫)
久住 四季
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こんがらがった事件に多重解決、意外な犯人などなど、とてもミステリっぽい。
が、いかんせん事件が地味。
期待していた密室も何と言うか、あ、でも、第三から第五の密室はトリックではない別のところで驚かされた。
「人間動物園」的なあれだ。
また、読み飛ばしてしまいそうな叙述トリックも仕掛けてあったのも面白かった。
種明かしを終え、しかし、ファンタジーとしてのクライマックス以後、どうにも描写不足感が否めず、終わり方はすっきりしない。
続編がありそうなあとがきだが2011年現在もまだ出ていない。
キャラが立ちまくっている佐杏先生だが、シリーズ全編に渡って物語の中心になることはなかった。
同じようなタイプだと薔薇十字探偵や赤き制裁が思い浮かぶが、あれとも違う。
ド派手なのに何だか印象が薄いのだ。
何だろう、この微妙な感じは。

久住四季「トリックスターズM」

トリックスターズM (電撃文庫)
久住 四季
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被害者は予想の範疇。
つまり読みどころは、その結論に至るまでの論理である。
しかし、犯行現場の特定において重要な役割を果たす時計塔とA棟の位置関係はアンフェアだと思った。
もしかしたらどこかで描写されていたのかもしれないが、気づかなかった。
あったとしたら天晴れだ、とはならない。
あったところで、衝撃は薄いからだ。
そして次で最後、しかも密室らしい。
畳むのが早すぎないか。
感想は面白くないわけではないが・・・、という実に微妙なもの。
最終作に期待だ。

久住四季「トリックスターズD」

トリックスターズD (電撃文庫)
久住 四季
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よくわからなかった。
ストーリーに疑問はない。
まえがきにあった、前作、前々作を読んでいたら機能する仕掛けというのが何だったのかわからないのだ。
作中作と絡めた虚実の反転だったのかな。

しかし、最後まで読んで気になったのは、扇谷いみなは何者なのか、という点だ。
どの次元での作者なのかよくわからない。

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