西尾維新「少女不十分」

少女不十分 (講談社ノベルス)
西尾 維新
講談社
売り上げランキング: 2367

著者の作品で最初に読むべきではないと思う。
きっと衝撃が薄れるから。

以下、ネタバレ込みの感想。

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道尾秀介「カラスの親指」

カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)
道尾 秀介
講談社 (2011-07-15)
売り上げランキング: 5304

面白かった。
流し読み気味だったから十全に楽しめたかと問われると答えはNOだが。

細かく仕掛けられているトリックはネタ振りが十分でないため衝撃は小さかったが、最後の大どんでん返しは伏線回収まで見事。
人間関係についてはまあそうだろうなといった印象。
解説が上手かった。
こうやって読者は更なる迷宮に誘われるわけだ。

ところで「泥棒にはもってこいの家」がどうダブルミーニングなのか未だにわからない。

森博嗣「ZOKURANGER」

ZOKURANGER (光文社文庫)
ZOKURANGER (光文社文庫)
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森 博嗣
光文社 (2011-08-10)
売り上げランキング: 128554

シリーズ完結に相応しい出来。
ストーリー・ラインなんてないに等しく、どんな話だったのか読み終えたばかりの現在でもすでに説明できない。
第4話までどこかで読んだ気がしていたのは「何をするためにきたのか」(たぶんこんなタイトルだった)に似ているからだ。
スターシステムを用いて長編化した感じ。
妄想と現実がせめぎあい、最終的に妄想側に落ち着く。
最終話なんてほとんど第4話のリフレインだが、うまくやられた感が残った。

島田荘司「リベルタスの寓話」

リベルタスの寓話 (講談社文庫)
島田 荘司
講談社 (2011-08-12)
売り上げランキング: 117294

「リベルタスの寓話」の問題編と解答編の間に「クロアチア人の手」という中編が挟まれた構成。
二つの事件に直接の繋がりはないが、探偵役を御手洗潔が務めるのと、旧ユーゴスラヴィアでの民族紛争がテーマになっている点で共通している。

まず表題作だが、これは冒頭から島田本格そのものというべき幻想的な謎が示され、捜査の過程で新たな情報が得られても謎が解明されるどころか混迷の度合いが増すようですらある。そんな中、もう新たに電話探偵というジャンルを作ってしまってもいいような気がするが、御手洗が伝聞に基づいて推理し見事に事件を解決して見せる。問題の謎は大きく二つ。なぜ犯人は死体の内臓を偽者と入れ替え持ち去ったのか(それに付随して未発見の腸の行方)。もうひとつは、犯行現場に残された犯人と目される男の血液型と容疑者の血液型の不一致のわけ、である。

感想;著者の提唱する21世紀本格らしい要素は前編においてあらかた説明されてしまうので、読者にとっては謎でもなんでもないのだが、犯人が使ったトリックはなかなか巧妙で、しかも古典的で好感が持てる。

もう一編の「クロアチア人の手」はそういう意味で傑作だと思う。いろいろ突っ込みたいところはあるが、最先端の技術と古典的な知恵を組み合わせ、捜査機関からの追及を逃れようとする犯人と、犯人によって生み出された不可解な状況から真実を明らかにする探偵の対決はミステリとしてかなりの高水準。這い寄る手というモチーフが非常に印象的。しかもトリックそのものであり、題名によるミスリーディングがそれを覆い隠している。結末が間抜けな点と、背後の事情の重さと、御手洗のエスパーっぷりが些かバランスを失しているように感じられるのはご愛嬌か。

まあとにかく二編とも面白かった。

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