綾辻行人「十角館の殺人」

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)
綾辻 行人
講談社
売り上げランキング: 4581

高3の春に読んだ。

びっくりした。

でも、これって、コナン・ドイルって誰? という層が読んでも楽しめないのではないか?
その分、ミステリ・マニアのためのミステリとしては凄まじい破壊力を持っている。
私はにわかミステリ・マニアなのでとても楽しめた。

今読むなら断然新装版が良い。
例の一文がすごいことになっているから。
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森博嗣「森博嗣のミステリィ工作室」

森博嗣のミステリィ工作室 (講談社文庫)
森 博嗣
講談社
売り上げランキング: 49572

ミステリーにはまり始めた頃、私には情報源がなかった。
自宅にはインターネット回線を引いていなかったし、携帯電話すら持ってなかったし、趣味を同じくする友人もいなかった。
財布の中身は非常に限られていたので、書店でジャケ買いするようなリスクは負えなかった。
図書館は不便な場所にあったので利用するという発想がなかった。

そんな中、本書を参考に私は読書の幅を広げていった(ミステリーという非常に限られた範囲で)。

何だかんだで、古典の名作と新本格以降の傑作の多くが挙げられている。
しかし、せっかく面白そうだと思っても、当時、興味を惹かれた本が書店に置いてないことが多くて困った(今ならネットで注文すれば2日後には自宅まで届く)。

ただ、これからミステリーを深く楽しみたいと思っている、金と時間に余裕のある方は、この手のガイド本を見るのは避けたほうが良いと思う。
ミステリーというジャンルは特に読めば読むほどつまらなくなっていく傾向が強く、初めに傑作ばかり読んでしまうと、その傾向に拍車がかかってしまうから。

島田荘司「異邦の騎士」

異邦の騎士 改訂完全版
島田 荘司
講談社
売り上げランキング: 31493

最初に言っておくが、御手洗潔が探偵役を務める作品を最低でも1つは読んでから、本書を読むべきだ。
一例として「占星術殺人事件」を薦めておく。

しかし、これはたぶんミステリではない。
少なくとも私はそう思った。

あえてジャンル分けするならば、恋愛小説になると思う。

それでも、ミステリとして楽しむことができた。

島田荘司「斜め屋敷の犯罪」

斜め屋敷の犯罪 改訂完全版 (講談社ノベルス)
島田 荘司
講談社
売り上げランキング: 262715

大爆笑した覚えがある。

すごく原始的なトリックが印象深い。

御手洗の一言の破壊力といったらもう・・・

これが気に入った方は「北の夕鶴 2/3の殺人」も楽しめると思う。

北の夕鶴2/3の殺人 (光文社文庫)
島田 荘司
光文社
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島田荘司「占星術殺人事件」

占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)
島田 荘司
講談社
売り上げランキング: 190002

魂消た。
感想はこの一言で十分だと思う。

私は金田一少年の事件簿を読んでいなかったので、100%の驚きを得ることができた。
まだミステリ初心者だった頃に読めたことも大きい。

読み返してみて、伏線があからさまだったことにさらに驚いた。
どうしてこんな簡単なことに気づかなかったのか、と読者に思わせることが傑作の条件だと思う。
叙述トリック以外で頭が揺さぶられたのはこれが最初だった。

冒頭の手記の読みにくさは相当だが、そこを乗り越えれば、解決まですらすら読めた。
読みやすさはとても大事だ。

法学部の学生に向けて

何かの間違いで法学部に入ってしまい、定期試験のたびにひいひい言っている学生にアドバイスしよう。

試験勉強なんてしなくても単位は取れる!

私が採点基準の胡散臭さを嗅ぎ取ったのは、1年の前期の成績発表のときだった。

入学当初の私は客観的に見て真面目な学生だった。
興味もないのに、すべての講義に出席し、ノートもしっかり取り、たまに予習もしていた。
講義内容はほぼ理解したという自信があったので、試験勉強にはあまり力を入れなかった。
そんな私の入門科目の成績が「可」だったのである。

不信感を覚えつつも、原因は自分の理解が足りなかったからだ、と健気に考えた私は、後期、もっと勉強した。
試験勉強を熱心にしたのは初めてだった(受験勉強すらした記憶がない)。
その過程で、「政治過程論」(だったかな?)、そんな名前の科目がちんぷんかんぷんだったので、他の科目を優先するために諦めた。
そして臨んだ試験。捨てた「政治過程論」以外の手応えはなかなかだった。

しかしながら、発表された成績は「政治過程論」が「良」、他の力を注いだ科目がことごとく「可」だったのである。

やはり何かがおかしい。

そして2年の前期、真面目に勉強した4単位の科目を3つ、あわせて12単位も落としたことで、ついに確信する。

理解度(そのための学習量)と試験での得点は比例しない。
それどころかむしろ反比例の関係にあるのではないか?

新たな疑問を抱えて迎えた後期、リスクの分散を考え、期末試験が無い代わりにレポートを提出する講義を取った。
確か「外交史」だったと思う。
その講義で予想外に中間試験が行われ、入学以来初めて、採点済みの答案用紙が返ってきて、私は驚愕する。

なんと17点。一応いっておくが、100点満点のテストである。

事はそれだけに止まらず、さらに驚くべきは、私がノートを見せてあげた友人が80点だったことである。

2つの答案を見比べて、とうとう得点が低い原因が判明した。

私の解答は知識の羅列に過ぎず、それぞれの情報をつなぐ説明が不足していたのである。
論理展開のない、あるいは論理的整合性が取れていない、小論文の出来損ないだった。

振り返ってみるに、例えば「政治過程論」は、問題を見ても何を問われているのかすら判断に困るような状態で試験に臨んだため、わからないなりに1つずつ着実に論理を積み重ねて“論述”していた。
他の予想外に結果の出た科目についても例外なくそうだった。

他方、十分に勉強したはずなのに落としてしまった科目は、やはり解答の体をなしていなかったのだろう。

そしてこれらは、このブログで何度も述べているとおり、私の文章を書く能力が日常生活に支障をきたすレベルで欠けていることに起因している。

つまり、理解度と得点が反比例するのではないかという疑問は、私にとってはそのとおりだったのである。

だから私は早々に諦めた。
20年間できなかったことが急にできるようになるはずがない。

そうしてろくに勉強もせずに臨んだ後期試験の結果は上々だった。
それから卒業するまで単位に対する不安は一度も抱かなかった。

最後に、単位を落とさないための条件をできる限り一般化した上で整理しておこう。
・とにかく説明する。
ここまで説明する必要があるのかと疑問に思うくらい、関係なさそうなことまで説明するくらいで良い。論理的に美しい文章であれば完璧だが、少々ごちゃごちゃしていても問題ない。

・とにかくたくさん書く。
文章量の少ない答案は問答無用で採点対象外になることがあるらしい。さらに何でもいいから書いておけば解答者が意図しない点がもらえるかもしれない。

・実定法系の試験については、法的三段論法を押さえた上で、平均的な論理的思考力を持って臨めば、恐れることは何もない。
判例まで押さえておけば満点が取れるだろうが、それはまた次元の異なる話である。実際の裁判であっても、何を争点にするかは当事者の主張の説得力次第だし、法学には判例とか多数説とか少数説とか有力説とか、傍から見れば理解に苦しむ状況が常識的にあり、これだけ混沌としていれば正解なんてないに等しいのだから、自分の主張を押し通すことが得点への最短距離であると断ずるに何ら躊躇はない。


ところで、これは私が在籍していた大学(国立K大学)に限ったことかもしれないが、入門講義の時点では解答の書き方を教えてもらえなかった。私は2年生のときに刑法の講義で初めて法的三段論法という強そうな単語を聞いて、ああ、そういうことか、と非常に納得したことを覚えている。しかも刑法は必修ではなく、他の講義ではついぞ聞かなかった。これはカリキュラムの欠陥としか思えない。専門用語を覚えさせる前に、こういう広く使える手法を教育者は提示するべきではないだろうか。少なくとも現在の大学は学問に勤しむ場ではないのだから、しっかりschoolとしての機能を果たすべきであると思う。

法学部の志望者に向けて

なんとなく思いついたので書く。

最初に結論を述べておこう;

公務員を目指している人と法曹界に進みたい人と法律や政治に興味がある人以外は、法学部へ進学すべきではない(悪だくみの好きな人にはオススメだ)。

高校で「キャリア~」(正確な名称は忘れた)という授業があった。
職業研究とかをしながら自らの将来像を描き、そこへ至るプロセスを明確化する。
――といった内容だったと思う。

そんなことをやらされても、やりたいことなんてないし、見つけることもできなかった私は、進学情報誌に書かれていた内容を鵜呑みにして、法学部への進学をなんとなく決めた。

「法学部はつぶしが利く」といった内容だったと記憶している。

確かにそれはその通りなのだが、やりたいことが見つかるということが前提が抜けている。

結局、就活で冗談みたいにエントリーシートを書かなければならないので、志望動機が無ければその時点で詰む。
私は文章を書くことができないので、器用に動機をでっち上げることもできなかった。

不景気下の就活ではものすごいハンデだ。

では、どうすべきなのか?

私の答えは、進学はやめてさっさと就職するか、専門性の高い(つぶしの利かない)学部へ進学するか、社会からドロップアウトするかの三択である。

私はもう手遅れなので、まだこれからの人は気をつけて欲しい。

森博嗣「冷たい密室と博士たち」

冷たい密室と博士たち (講談社文庫)
森 博嗣
講談社
売り上げランキング: 19420

S&Mシリーズの中では最も地味な作品。
「すべてがFになる」が派手だっただけに余計にそう思うのかもしれない。
言い換えれば、最もオーソドックスな形式のミステリである。

面白くなくはないのだが、普通すぎて拍子抜けした。

2時間サスペンスみたいな印象。
安心して読めるということでもある。
冷たい密室と博士たち (幻冬舎コミックス漫画文庫 (あ-01-02))
森 博嗣 浅田 寅ヲ
幻冬舎コミックス
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森博嗣作品について

森作品に限った話ではないが、前作のネタバレが含まれる小説が多々ある。
特に犯人当てを楽しみたい読者にとって、読む順番を間違えると楽しみが半減することになる。

そこで、今回はとりあえず森作品を読む際の、私がお薦めする順番を紹介したいと思う。
とはいっても特別な作業は不要で、発売日の古い方から順に読めばよい。

念のため、以下に記す。

01 すべてがFになる
02 冷たい密室と博士たち
03 笑わない数学者
04 詩的私的ジャック
05 封印再度
06 まどろみ消去(短編集)
07 幻惑の死と使途
08 夏のレプリカ
09 今はもうない
10 数奇にして模型
11 有限と微小のパン
12 地球儀のスライス(短編集)
13 黒猫の三角
14 人形式モナリザ
15 月は幽咽のデバイス
16 夢・出逢い・魔性
17 魔剣天翔
18 今夜はパラシュート博物館へ(短編集)
19 恋恋蓮歩の演習
20 六人の超音波科学者
21 捩れ屋敷の利鈍
22 朽ちる散る落ちる
23 赤緑黒白
24 虚空の逆マトリクス(短編集)
25 四季(春・夏・秋・冬)

とりあえずはここまでで十分だと思う。
赤字の作品は特に関連が強いと思うので、時間のない人は参考にしていただきたい。

とにかく私はこの順番で読むことができて幸せだった。

しかしながら、結局楽しみ方は人それぞれなので、お好きな順番で読むのがよろしい。

※大事なことを忘れていた。
 宝島社の「森博嗣本」には致命的なネタバレがあるので、四季シリーズを読み終えるまでは読まないほうが良い。

国語の偏差値を上げる方法

国語が苦手だ、と書いていて思い出したので、世の受験生のために私の体験談を披露しよう。

私は文章が書けない。「傍線部はどういう意味か、80字以内で説明しなさい」というような問題はほぼ全滅。したがって、現代文がかなり苦手で、古文は少し苦手、漢文はそうでもない、という成績だった。河合塾の模試の偏差値は全部あわせて50台中盤。

そんな私が偏差値60台後半をコンスタントに出すようになった理由は簡単で、

「とにかく書く」

ただそれだけだ。

答えが全くわからなくても、とりあえずそれらしい文を書いてさえいれば良い。
どうしても書けない場合は、問題文の中の関連がありそうな語句を切り貼りすれば、多少支離滅裂な文章が出来上がったとしても、点はもらえる。
日本語を読み書きできれば、そう的外れな解答をするのはかえって難しい。

私はこの方法で受験勉強をほとんどせずに本番まで乗り切った。

あるとき、解答欄は埋められないけれど時間が余るという状況が何度も続き、試しに残りの時間で埋められるだけ埋めてみようと悪ふざけのつもりでやってみたところ、予想外の高得点が出たため、返却された答案を分析した結果、上記のような結論に至った。
何事もやってみるものだ。
しかも私の場合、他の科目についても文章が書けないことで得点の機会を失していたので、同じ方法で成績が上がった。

私の文章力についてはこの文章で明らかだろう。この程度の能力でも偏差値70に手が届くのだ。
努力とか大嫌いな怠け者はぜひお試しあれ。

ついでだけれど、古文・漢文は外国語だと思えば負担は減ると思う。英語が得意ならなおさら。

森博嗣「すべてがFになる」

すベてがFになる (講談社文庫)
森 博嗣
講談社
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私は国語が苦手だった(今も苦手)。
そこで本を読めば成績が上がるかも――という淡い期待をもって(素直に勉強するという選択肢は端から頭にない)、暇さえあれば本を読むことを決意した。
その第一弾が本書である。

書店で手に取った理由は表紙がミステリアスだったからで、
立ち読みした理由はあらすじが怪しげで面白そうだったからで、
購入した理由はプロローグが読みやすくて続きが気になったからである。
シリーズとして続いているのでしばらくは読む本を探す手間が省けそうだったというのも後押ししたかもしれない。

読んでみると期待以上に面白かった。
ミステリーとは関係ないが、当時の私が漠然と思っていたことがことごとく言語化されていて、非常にすっきりした記憶がある。
周囲の人間を見下している若者は私と同じ印象を受けるはず。
そして私はミステリーに嵌まった。

巷でいわれる理系ミステリという評価については未だによくわからない。
そんな小難しい理屈が並ぶわけでもなく、特別な知識が要求されるわけでもない。
むしろ文学的な匂いを感じた私の感性はおかしいのだろうか?

ここから文庫化の速度に追いつくまで、ひたすら森作品を読むことになる。
すべてがFになる (幻冬舎コミックス漫画文庫 あ 1-1)
森 博嗣
幻冬舎コミックス
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乙一「GOTH-リストカット事件」

GOTH 夜の章 (角川文庫) GOTH 僕の章 (角川文庫)

高校生のとき、朝の10分間読書を強制されていた。
いきなりそんなことをいわれても読書なんて高尚な趣味はなく、何を読んだらいいかすらわからなかったが、昔ホームズを読んで面白かったことを思い出して、もしかしたら私はミステリーが好きなのかもしれないと思って、本屋で探した。
そして本格ミステリ大賞受賞という文字に興味を惹かれて、平積みされていた本書を購入するに至ったわけである。

内容を簡単に説明しておくと、短編集・グロテスク・驚愕、である。

世界観や語り口が親しみやすいかどうかは別にして、とりあえず平易な文章でとても読みやすかった。

毎朝少しづつ読み進めていたのだが、1話目の時点での衝撃は筆舌に尽くしがたいものだった。しかもその衝撃が1話ごとに増していくのである。

結局、一年近くにわたって何度も繰り返し読んだ。
とはいっても魅了されたわけではない。
そもそも活字を追うという行為自体が面倒で、新しい本を読もうという発想がなかったのだ。

しかし、2年生になったのを契機に、私は読書に邁進することとなる。〈つづく〉

漫画版はもっとグロい。
GOTH (角川コミックス・エース)
乙一 大岩 ケンヂ
角川書店

シャーロック・ホームズ

シャーロック・ホームズの冒険―新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)
アーサー・コナン・ドイル
光文社
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まずは原体験から。

小学校低学年の頃、図書室にあった「シャーロック・ホームズの冒険」を読んだ。
たぶん、人生初の小説である。今、記憶を頼りに検索してみたら偕成社版だった。

きっかけは覚えてないな。NHKでやっていたドラマを見た記憶があるから、きっとそれを見て興味を持ったんだろう。

内容について今さら語ることはないと思う。
なんだかんだで全集を読破したのだから、面白かったことは間違いない。

ただ、この体験がトラウマみたいになっていることも確かだ。
どういうことかというと、異文化に対する知識がないまま読んだために、文字を追うスピードに理解が追いつかなかったのだ。
おかげで未だに翻訳文アレルギーがある。
具体的には、「マントルピースって何だよ」という疑問だ。←実は最近まで知らなかった。

翻訳家の方々にはぜひこういう点にも気を遣っていただきたい。

完訳版 シャーロック・ホームズ全集 全14巻

偕成社
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ブログ開始!

やることがないのでブログを始めることにした。

……が、特に書くべきことも見つからず、書きたいこともないので、すでに行き詰まりを感じている。

とりあえず、しばらくは読書感想文めいたものでも書きつつ、行く行くはお小遣い稼ぎに繋げたいと思う。

目標は遠いな……

麻耶雄嵩「まほろ市の殺人 秋 闇雲A子と憂鬱刑事」

まほろ市の殺人 (ノン・ノベル)
有栖川 有栖 我孫子 武丸 倉知 淳 麻耶 雄嵩
祥伝社
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何となく泡坂の短編を思い出した。
リアリティがないという意味だ。←褒め言葉。
耳に火をつける意味は名前を見た時点で気づかざるを得ないが、犯行現場に残されるアイテムの意味はわからなかった。
「優しくない」というのが一番の衝撃だっただろうか。
調べてみると人偏の漢字は常用漢字だけで90ある。
ネタは尽きなさそうだ。

真梨幸子「殺人鬼フジコの衝動」

殺人鬼フジコの衝動 (徳間文庫)
真梨幸子
徳間書店 (2011-05-07)
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たまには最近読んだ本のことも書いてみよう。

書店でやたらプッシュされていたので、気になっていたところ、ブックオフで見つけたので買ってみた。350円だったかな。

感想は、何と言うか・・・まあ、そういうことなのだろう。

もうね、こういう本は煽り文句だけで開く前からトリックがだいたいわかってしまうから困る。
ホント、ネタバレは勘弁してほしいのだけれど、あれくらい煽ってもらわないと買う気にならないのだから、難しいところだ。

内容はいわゆる厭ミスというやつで、どこまで読んでも気分が悪い。
面白いんだけどね。

それでも、悪い意味での予定調和は崩されたので、最後まで結構楽しめた。

ただ、なんかすっきりしない。
何が真実なのか、考えれば考えるほどモヤモヤする。
そんな小説。

円城塔「Self-Reference ENGINE」

Self-Reference ENGINE (ハヤカワ文庫JA)
円城 塔
早川書房
売り上げランキング: 9210

何となく凄いのはわかるけど、何が何だかわからない。

あるとき「イベント」と呼ばれる何かが起きて時間が壊れてしまい、それを元に戻すために巨大知性体が人間とともに奮闘するのだが、アルファ・ケンタウリ星人と名乗る超越知性体の干渉を受けたり、自分がそもそも滅亡していることに気づいたりで、とにかく時間は壊れたまま、どうやら全てはひとつのラブ・ストーリーだったらしいということを存在しない「Self-Reference ENGINE」が物語っていたという物語らしい。

きっとSFに関する知識が十分だったらもっと面白く読めるのだろう。
たぶん文章は論理的にも文法的にも正しいはずなのだけれど、構造が複雑すぎて破綻しているように思える箇所が多々あった。
実定法系の教科書や小難しい英語の論文を読んでいる時と同じ感覚だ。

解説では見事に解説してあったが、それは理解できないながらも一応本編に目を通していたからこそ解説であるとわかったのであり、解説だけを読んだのでは何かの暗号かと思うような内容で、すなわち本編もそういう内容であったので、私が理解できないのも無理はないと思って差し支えないということにしておく。
各短編の関連が示されていてわかりやすかった。

面白かったけれど、読み返す気にはならないな。

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