超私的島田荘司ランキング

島田荘司といえば、社会派が主流だった新本格以前からガチガチの本格ミステリを書いていて、巷では“ゴッド・オブ・ミステリー”として有名だが、今回はそんな彼の作品の中から個人的に印象深いものを紹介する。



占星術殺人事件 (講談社文庫)
島田 荘司
講談社
売り上げランキング: 6901

第1位は何と言ってもこれ。核になっているトリックがとにかくすごい。叙述ではないトリックでここまでの衝撃を受けたことはないし、きっとこれからもないだろう。



ロシア幽霊軍艦事件 (角川文庫)
島田 荘司
角川書店
売り上げランキング: 92407

第2位。ジャンル的には歴史ミステリになるのかな。それまで読んでいたのは殺人事件を扱ったミステリがほとんどで、たまにほのぼのとした日常の謎を読むことはあったが、本書はそのどちらとも違って、一枚の奇妙な写真から歴史上の謎が壮大なスケールで解き明かされる。謎の組織が登場することもなく、スリルもサスペンスもないはずなのだが、非常にエキサイティングだった。



斜め屋敷の犯罪 (講談社文庫)
島田 荘司
講談社
売り上げランキング: 43982

第3位。これぞ本格ミステリといった風情の大トリックが炸裂する。御手洗の名探偵ぶりが憎い。



奇想、天を動かす (光文社文庫)
島田 荘司
光文社
売り上げランキング: 64774

第4位。作者の本格観が具現化されたような作品。幻想的な謎とその合理的解決+社会派のエッセンス。



犬坊里美の冒険 (光文社文庫)
島田 荘司
光文社
売り上げランキング: 275438

第5位。これはめちゃくちゃ面白いのに、あまり話題にはならなかったようだ。バカミス一歩手前(もしかしたらそのもの?)のトリックが凄まじいだけでなく、笑える。



北の夕鶴2/3の殺人 (光文社文庫)
島田 荘司
光文社
売り上げランキング: 250137

第6位。「斜め屋敷」を彷彿とさせる古き良き本格ミステリ的なトリック。違う意味でプロバビリティの犯罪である。



暗闇坂の人喰いの木 (講談社文庫)
島田 荘司
講談社
売り上げランキング: 126233

第7位。とにかく雰囲気が気に入っている。ホラー寄りなのかな。結末はどうかと思うが。



魔神の遊戯 (文春文庫)
島田 荘司
文藝春秋
売り上げランキング: 220684

第8位。例のトリックが衝撃的なのだが、それがなくても成立する本格ミステリだ。



ハリウッド・サーティフィケイト (角川文庫)
島田 荘司
角川書店
売り上げランキング: 291536

第9位。異色作。それ、下ネタやん。



切り裂きジャック・百年の孤独 (文春文庫)
島田 荘司
文藝春秋
売り上げランキング: 270031

第10位。現代に甦った切り裂きジャック事件を名探偵が解決。



こうして見ると、われながら面白みのないランキングだ。
まあ、でも、思いつくとおりに書いたらこうなったのだから、素直な感想なのだろう。
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次回予告!

恋物語まで続けて読んだら力尽きてしまった。
しばらく活字は見たくないな。
だけど読みたい本は積み上がっていて増える一方。
速読にでもチャレンジしてみようか。
とりあえず、次に読む本を予告しておこう。
こうでもしないと読む気にならないからな。
ということで次回「女王国の城」
いつになることやら……

どんな本でも大量に読める「速読」の本
宇都出 雅巳
大和書房
売り上げランキング: 5114

西尾維新「恋物語」

恋物語 (講談社BOX)
恋物語 (講談社BOX)
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西尾 維新
講談社
売り上げランキング: 40

内容(「BOOK」データベースより)
“片思いをずっと続けられたら―それは両想いよりも幸せだと思わない?”阿良々木暦を守るため、神様と命の取引をした少女・戦場ケ原ひたぎ。約束の“命日”が迫る冬休み彼女が選んだのは、真っ黒で、最悪の手段だった…。「物語」はその重圧に軋み、捩れ、悲鳴を上げる―。


とりあえずのハッピーエンドということなのだろうか。
詐欺師のおっさん(ツンデレ!)のモノローグなので、まるでハードボイルドみたいな印象だった。戦場ヶ原視点を期待していたのだけれど。しかし未だに“ツンドロ”の具体的な描写が不足している。
あの幕切れだと、「花物語」の様相が一変するように思うのだけれど、どうなのだろう?
まあ、それはそれとして、セカンドシーズンのラストに相応しくここまでの伏線は大体回収されたと思う。やっぱり夏休み明けの事件はまだ語られないけれど、そちらは新たに供給された伏線と合わせてファイナルシーズンに期待だ。
何でも知っている臥煙伊豆湖と時系列や性別を越えて暗躍しているらしい忍野扇と行方不明の忍野メメあたりがとても気になる。

西尾維新「鬼物語」

鬼物語 (講談社BOX)
鬼物語 (講談社BOX)
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西尾 維新
講談社
売り上げランキング: 148

内容説明
アニメ『傷物語』劇場映画化、大・決・定!阿良々木暦の影に棲む吸血鬼・忍野忍。彼女の記憶から呼び覚まされた、“怪異を超越する脅威”とは…!?美しき鬼の一人語りは、時空を超えて今を呑みこむ―!!


「しのぶタイム」というタイトルは、確かに忍の一人語りの部分についてはそれでいいのだろうが、全体を正しく表しているとは言いがたい。むしろ「まよいロー」とでも言うべき内容だ(語呂が悪い!)。
「傾物語」と合わせてちょうど八九寺成分と忍成分のバランスが取れるように思う。
結局、廃墟炎上の顛末は語られず。一体いつ私は知ることができるのだろう?
まあ、何と言ってもあの結末が衝撃的で、物語が終局へ向けて動き出した感が強く残った。
偽物語のキャラコメが気になる。
これまでも明らかに怪しかった忍野扇がさらに怪しさを増した。どうやら一人だけ異なるルールの下に動いているようだ。他のメタさと様子が違う。

次でセカンドシーズンは最後。
「恋物語」
タイトルもズバリ「ひたぎエンド」
ファイナルシーズンがあるのは知っているけれど、それでも何らかの決着はつくのだろうから、非常に楽しみだ。
ま、でも、タイトルはあんまり関係ないのかな。

「偽物語」第一巻/かれんビー(上)【完全生産限定版】 [Blu-ray]
アニプレックス (2012-04-25)
売り上げランキング: 3

西尾維新「囮物語」

囮物語 (講談社BOX)
囮物語 (講談社BOX)
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西尾 維新
講談社
売り上げランキング: 165

内容説明
アニメ傷物語2012年劇場映画化大決定!かつて蛇に巻き憑かれた少女・千石撫子。阿良々木暦に想いを寄せ続ける彼女の前に現れた、真っ白な“使者”の正体とは…?<物語>はうねり、絡まり、進化する!


またしても阿良々木暦は語り部の任を解かれている。セカンドシーズンで各登場人物のキャラクターを掘り下げる他に、何か別のねらいがありそうに思えるのだが、まだ見えてこない。

これが噂のラスボス化か。伏線が張られていたのは「偽物語」だったっけ?続けざまに読んでなかったら気づきもしなかっただろうな。
こういう形のバッドエンドもあるわけだ。
物語もここへ至るといい加減に痛い。痛いといえば「向日葵の咲かない夏」を思い出した。なんとなく似てなくもない。
作中で予告編が展開されたように、「花物語」と合わせると、「囮物語」自体がネタバレ済みの本編のための壮大な予告編だったといえる。時系列を弄った結果、どこに意外性を用意するのか、といったところが今後の読みどころだ。

シリーズ全体を見渡して感じるのは、「傷物語」がベースになっているらしいということだ。時系列的には今のところ最も古い物語なので当然と言えばそうなのだが、そうではなくてもっと印象的な意味で。
怪異冒険譚としてスタンダードなプロットだからだろうか。他の物語はすべて「傷」の亜種のように思える。
だからといってどうということはないのだが……

さあ、次は長らくおあずけを食っていた夏休み明けの事件がついに語られる。
「鬼物語」
楽しみだ。

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)
道尾 秀介
新潮社
売り上げランキング: 20641

西尾維新「花物語」

花物語 (講談社BOX)
花物語 (講談社BOX)
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西尾 維新
講談社
売り上げランキング: 1116

内容(「BOOK」データベースより)
“薬になれなきゃ毒になれ。でなきゃあんたはただの水だ”阿良々木暦の卒業後、高校三年生に進級した神原駿河。直江津高校にひとり残された彼女の耳に届いたのは、“願いを必ず叶えてくれる『悪魔様』”の噂だった…。“物語”は、少しずつ深みへと堕ちていく―。


神原駿河が狂言回しを務めていることに加えて、いきなり阿良々木暦卒業後から始まったので面食らった。
意外にも落ち着いた文体で、雰囲気が出ている。やっぱり戦犯は阿良々木暦だった。
中身的には、ああ、「化物語」ってこんな感じだったなぁ、と原点を思い出させてくれるような、怪異を絡めた青春小説だった。
全然関係ないけれど、なぜかパトレイバーを連想した。
夏休み明けと卒業前にそれぞれ大事件があったそうだけれど、それはいつ語られるのだろう。
性別が逆転していた忍野扇の存在も謎だ。
この時点で、阿良々木暦の残念な卒業秘話が明かされたのだが、彼の進路についての言及が一切なかったことが、どうもより残念な事実をほのめかしているように思えて仕方がない。そこはまあ、レッド・へリングかもしれないけれど。
次は囮物語。

機動警察パトレイバー アーリーデイズ [Blu-ray]
バンダイビジュアル (2010-07-23)
売り上げランキング: 5880

西尾維新「傾物語」

傾物語 (講談社BOX)
傾物語 (講談社BOX)
posted with amazlet at 12.01.21
西尾 維新
講談社
売り上げランキング: 1249

内容(「BOOK」データベースより)
“変わらないものなどないというのなら―運命にも変わってもらうとしよう”。迷子の小学生・八九寺真宵。阿良々木暦が彼女のために犯す、取り返しのつかない過ちとは―!?“物語”史上最強の二人組が“運命”という名の戦場に挑む。


これまでも決して一筋縄でいく作品ではなかったけれど、そんな一連の作品群の中にあってさえ、今回は異色である。
なにしろドラえもんをいじりながらいきなりタイムスリップしてしまうのだから。
完全にSF。
ジャンルミックスはそれだけに止まらず、途中にゾンビ映画を挟んで、アドベンチャーゲーム的に終了。
タイトルこそ「まよいキョンシー」で、一応、八九寺が物語の肝ではあるのだけれど、どうしようもなく阿良々木暦と忍野忍の物語だった。
時間や運命についての話も含めて、これまでの西尾作品の総まとめという気がしないでもない。
時間的には猫物語(白)の序盤に重なっている。このまますぐ花物語につづくようなので、阿良々木暦が何をしていたのかについてはむしろそちらが本番なのかもしれない。
私が常々抱いてきたバッドエンドの予感については予想外の形で示されたことになる。

涼宮ハルヒの消失 (角川スニーカー文庫)
谷川 流
角川書店
売り上げランキング: 6100

STEINS;GATE Vol.1【初回限定版】 [Blu-ray]
メディアファクトリー (2011-06-22)
売り上げランキング: 1418

西尾維新「猫物語(白)」

猫物語 (白) (講談社BOX)
西尾 維新
講談社
売り上げランキング: 2040

内容(「BOOK」データベースより)
“何でもは知らないけれど、阿良々木くんのことは知っていた。”完全無欠の委員長、羽川翼は二学期の初日、一頭の虎に睨まれた―。それは空しい独白で、届く宛のない告白…「物語」シリーズは今、予測不能の新章に突入する。


いきなりの驚きは、羽川翼が語り手を務めているということ。
虎と出会ってしまった羽川パートと、にゃんにゃんうるさいブラック羽川パートと、一切語られないのに読んだ気がする阿良々木パートで進行する。語られなかった部分がたぶん次の「傾物語」なのだろう。
予想外に推理小説的な手法・展開で、アクロイド殺しと姑獲鳥の夏と他にも色々思い出した。
本筋とは全然関係ないけれど、永沢くんで爆笑してしまった。
いろんな意味で「ハガレン」な物語だった。どうも巻ごとにメジャーな少年マンガのオマージュをやっているような気がするけれど、気がするだけで確信はない。
過剰なまでのサービスはありながらも、全体としてなかなか重い話だったし、いつもの超絶ハイテンションとは一線を画していた。
本当に自意識を抉る話は面白い。

西尾維新「猫物語(黒)」

猫物語 (黒) (講談社BOX)
西尾 維新
講談社 (2010-07-29)
売り上げランキング: 901

内容(「BOOK」データベースより)
完全無欠の委員長、羽川翼。阿良々木暦の命の恩人である彼女はゴールデンウィーク初日、一匹の猫に、魅せられた―。それは、誰かに禁じられた遊び…人が獣に至る物語。封印された“悪夢の九日間”は、今その姿をあらわにする!これぞ現代の怪異!怪異!怪異!知らぬまに、落ちているのが初恋だ。


勢いがついちゃったので、この際、恋物語まで読み終えるつもりだ。
途中で飽きると思うけど。

そんな感じでついにゴールデンウィークの物語が詳細に語られた。
まだ阿良々木ハーレムは形成されていないので、序盤の妹成分を除けば、傷物語のときと同じテンションである。
これも映画化かもな。そこそこ派手だし、第一、放送コードに盛大に引っかかる。
雑談が伏線になるというのは小説的にはよくある手法だけど、ここまで行ってしまうともうなんだか一線を画してしまったような感じがする。何の一線なのかは知らないけど。
アニメが始まってから書かれたようで、メタなネタがかなり具体的になっている。やっぱり面白い。
時系列を遡って変貌するキャラクターについて作者は意識的だけど、そんな辻褄合わせの言い訳をしなくたって、全然問題ないと思う。ほとんど何でもありの世界観もそうだけど、それとは別に今回の怪異そのものがそういう矛盾を解消している。表裏一体とか、多面性とかそういうこと。
最後の一行でなぜか背筋が震えたのだけど、それほど考え込むこともなくその理由には思い当たって、今度はなぜこの程度のことで鳥肌が立ったのかという新たな疑問が湧いてきた。
理由はわからないけどとりあえず、これが物語の力か、ということにしておく。

次は「猫物語(白)」

ところで、バッドエンドの予感は相変わらず消えないけど、こうなってくるとそれだけじゃすまないような気もしてくる。
そのうち、どこかの実験小説みたく地の文に作者が出張ってきたり、読者が物語りに取り込まれたり、観念的に世界が崩壊したりしそうだ。
私はむしろそういうのを期待している。

田島昭宇「多重人格探偵サイコ」



1巻を読んだ時の衝撃は一生忘れることはないだろうし、4巻までは文句なく面白かった。
残念ながら、もうかれこれ10年くらい迷走している感がある。

諸星大二郎「妖怪ハンター」

妖怪ハンター 地の巻 (集英社文庫)
諸星 大二郎
集英社
売り上げランキング: 9476

出版社 / 著者からの内容紹介
ぬばたまの闇の底どよもす呻き声。冥き世界にうごめく異形の者ども…。異端の考古学者・稗田礼二郎が暴きだす、触れてはならぬ…暗黒の日本史!! その圧倒的スケールで、漫画界を震撼させた空前絶後の傑作「妖怪ハンター」第一弾!! 幻のミッシング・ピース「死人帰り」も掲載!! 暗黒の邪神、深き底より…まいる。


とにかく「生命の木」がすごい。
何がすごいって、この短さでこれだけのスケールの物語を書ききっているところだ。
今となってはオカルト系のテレビ番組で見たことがあるようなネタだが、この一編だけで十分に元は取れる。
たった31ページの短編が映画化すると88分という普通の長さになることを見ると、その密度が半端じゃないことがわかるだろう。

奇談 プレミアム・エディション [DVD]
ジェネオン エンタテインメント (2006-05-25)
売り上げランキング: 27773


妖怪ハンター 天の巻 (集英社文庫)
諸星 大二郎
集英社
売り上げランキング: 9220

妖怪ハンター 水の巻 (妖怪ハンター) (集英社文庫―コミック版)
諸星 大二郎
集英社
売り上げランキング: 12227


西尾維新「偽物語(下)」

偽物語(下) (講談社BOX)
偽物語(下) (講談社BOX)
posted with amazlet at 12.01.18
西尾 維新
講談社
売り上げランキング: 121

内容(「BOOK」データベースより)
“ファイヤーシスターズ”の参謀担当、阿良々木月火。暦の妹である彼女がその身に取り込んだ、吸血鬼をも凌駕する聖域の怪異とは!?VOFANの“光の魔術”は鮮やかに花開き、西尾維新が今、“物語”を根底から覆えす―これぞ現代の怪異!怪異!怪異!青春は、にせものだけでは終らない。


結局、読んでしまった。
まあ、読んではいけないということはないのだけれど、それでもアニメと小説どちらを先に鑑賞すべきかという問題は、究極的にないものねだりになることは自明であるにしても、もう少し逡巡の余地はあったのではないかと、そんなどうでもいい思いが残る。

それにしても鬼畜の所業だ。吸血鬼どころじゃない。
色んなところで“歯磨き”という日常的な単語が散見されたのはこういうことだったのか。
それだけじゃないけれど、特に歯磨きのインパクトは強い。
アニメ化となると、そちら方面の団体が動き出しそうである。
最終的にいい話で落ちるので、余計に際立つ。
“あいびき”は吉行淳之介を思い出した。
ガハラさんの不在のためなのだろうけれど、“ツンドロ”というのがどうにも想像できない。この辺りは続編に期待か。
メタなのが好きなのでもっとやってほしい。

次は猫物語(黒)だ。順番がわかりにくいのでここに記録しておく。読むべき順番なんてないのかもしれないが、念のため。

ところで、巻数が増えるにしたがって、ネタがどんどんコアになっているような気がする。私の教養ではそろそろ限界が近い。

北村薫の本格ミステリ・ライブラリー (角川文庫)

角川書店
売り上げランキング: 251931

西尾維新「偽物語(上)」

偽物語(上) (講談社BOX)
偽物語(上) (講談社BOX)
posted with amazlet at 12.01.17
西尾 維新
講談社
売り上げランキング: 106

内容(「BOOK」データベースより)
“ファイヤーシスターズ”の実戦担当、阿良々木火憐。暦の妹である彼女が対峙する、「化物」ならぬ「偽物」とは!?台湾の気鋭イラストレーターVOFANとのコンビも絶好調!「化物語」の後日談が今始まる―西尾維新ここにあり!これぞ現代の怪異!怪異!怪異!青春は、ほんものになるための戦いだ。


舌の根も乾かないうちに前言撤回。
アニメの補完だけのつもりが、そのまま最後まで読んでしまった。
下巻はどうしようか?

基本、会話劇だってわかってはいるのだけれど、それにしたって物語が展開しない。
「かれんビー」のあらすじは一息で言い表せると思う。
物語的にはそのくらいの密度なのだけれど、中身は濃い。濃すぎる。
現実に打ちのめされた色んな層の需要が粗方満たされるシチュエーションの数々。
阿良々木暦は、語り手を自称している主人公の皮を被った脇役なのではないか?
その場合、主人公は物語内には存在しない読者だ。

会話の端々に、どうも伏線を張りまくっている感じがするんだけれど、どうなんだろう?
シリーズ的にバッドエンドの匂いがぷんぷんする。

偽物語(下) (講談社BOX)
偽物語(下) (講談社BOX)
posted with amazlet at 12.01.17
西尾 維新
講談社
売り上げランキング: 110

岡嶋二人「クラインの壺」

クラインの壷 (講談社文庫)
岡嶋 二人
講談社
売り上げランキング: 85712

内容(「BOOK」データベースより)
200万円でゲームブックの原作を、謎の企業イプシロン・プロジェクトに売却した上杉彰彦。その原作をもとにしたヴァーチャルリアリティ・システム『クライン2』の制作に関わることに。美少女・梨紗と、ゲーマーとして仮想現実の世界に入り込む。不世出のミステリー作家・岡嶋二人の最終作かつ超名作。


高3のときに読んだ。
ジャンルはSFだけれど、あまりぶっ飛んだ設定ではなくて、現実でありそうな世界観である。
エンタメ的なものに免疫がほぼなかったので、読後しばらく中てられていた。
読み手によってはそのくらいの衝撃がある。
一定の読書経験を積むとわかるが、この作品に限らず、アイディアは傑作の必要条件ではなくて、必要なのは様式的なものであり、物語論的な、知ってさえいれば誰でも真似できるような条件が一つ一つ満たされていればそれだけで面白いのである。
独創的なアイディアはおまけである。

翻訳調が大嫌いな私が読んだ海外小説

私は外国人が書いた小説が苦手だ。
内容云々以前に翻訳文特有の文体のせいで何が書いてあるのか理解しづらいからだ。
特別難しい言葉が使われているわけでもないのに、文章の意味は何らかの超自然現象が発生しているかのように伝わってこない。
同じ日本語を使っているように見えて、実は異なる文法で書かれているに違いない。
苦手なものは嫌いだ。
そんな私が読んだ海外小説を紹介するので、食わず嫌いの方の参考になれば幸いである。



シンデレラの罠【新訳版】 (創元推理文庫)
セバスチャン・ジャプリゾ
東京創元社
売り上げランキング: 14197

内容説明
語り手である私は20歳。その私は、探偵であり、証人であり、被害者であり、しかも犯人である?! 空前のトリックで伝説的傑作の新訳。


まず、悪い意味で衝撃を受けた作品から。
説明文に惹かれて読み始めたのだが、一体何が起きているのか全く頭に入ってこなかった。
比較的読みやすい一人称なのにもかかわらず。読み終えても空前のトリックがどんなものだったのか理解できず、読み返す気力すら奪われた。
そんな翻訳文の魔力を味わいたい方にはぜひ一読をお薦めする。
もしかしたら新訳版ではその辺りの問題が解消されているかもしれない。



災厄の紳士 (創元推理文庫)
D・M・ディヴァイン
東京創元社
売り上げランキング: 164443

内容(「BOOK」データベースより)
根っからの怠け者で、現在ではジゴロ稼業で糊口を凌いでいるネヴィル・リチャードソンは、一攫千金の儲け話に乗り、婚約者に捨てられた美人令嬢のアルマに近づく。気の強いアルマにネヴィルは手を焼くが、計画を仕切る“共犯者”の指示により、着実にアルマを籠絡していく。しかしその先には思わぬ災厄が待ち受けていた…。名手が策を巡らす、精巧かつ大胆な本格ミステリの快作。


対照的にこちらは恐ろしく読みやすい。逆に何か勘違いしているのではないかと疑ってしまうくらい。
そして不思議なことに、読みやすい小説は例外なく面白いのだ。



冷血 (新潮文庫)
冷血 (新潮文庫)
posted with amazlet at 12.01.16
トルーマン カポーティ
新潮社
売り上げランキング: 10559

内容(「BOOK」データベースより)
カンザス州の片田舎で起きた一家4人惨殺事件。被害者は皆ロープで縛られ、至近距離から散弾銃で射殺されていた。このあまりにも惨い犯行に、著者は5年余りの歳月を費やして綿密な取材を遂行。そして犯人2名が絞首刑に処せられるまでを見届けた。捜査の手法、犯罪者の心理、死刑制度の是非、そして取材者のモラル―。様々な物議をかもした、衝撃のノンフィクション・ノヴェル。


同上。
ところで、簡単な集合論の問題がある。
読みやすければ面白いのだが、面白いものがすべて読みやすいとは限らない。
金と時間の限られている身としては難しいところだ。



火刑法廷[新訳版] (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ジョン・ディクスン・カー
早川書房
売り上げランキング: 180981

内容(「BOOK」データベースより)
広大な敷地を所有するデスパード家の当主が急死。その夜、当主の寝室で目撃されたのは古風な衣装をまとった婦人の姿だった。その婦人は壁を通り抜けて消えてしまう…伯父の死に毒殺の疑いを持ったマークは、友人の手を借りて埋葬された遺体の発掘を試みる。だが、密閉された地下の霊廟から遺体は跡形もなく消え失せていたのだ!消える人形、死体消失、毒殺魔の伝説。無気味な雰囲気を孕んで展開するミステリの一級品。


ということで、読みづらいけど面白い作品。
こういう作品を手に取るには、立ち読みでは不十分で、世間の評価が重要だ。
私が読んだのは旧訳版なので、新訳版はどうなっているか知らない。



面倒になってきたので、面白かった小説を羅列する。

黒後家蜘蛛の会 1 (創元推理文庫 167-1)
アイザック・アシモフ
東京創元社
売り上げランキング: 75725

拷問者の影(新装版 新しい太陽の書1) (ハヤカワ文庫SF)
ジーン・ウルフ
早川書房
売り上げランキング: 412231

調停者の鉤爪(新装版 新しい太陽の書2) (ハヤカワ文庫SF)
ジーン・ウルフ
早川書房
売り上げランキング: 203794


独裁者の城塞 新しい太陽の書 4 (ハヤカワ文庫SF)
ジーン・ウルフ
早川書房
売り上げランキング: 186631

ブラック・ダリア (文春文庫)
ジェイムズ エルロイ
文藝春秋
売り上げランキング: 65259

Xの悲劇 (創元推理文庫)
エラリー・クイーン
東京創元社
売り上げランキング: 23207

Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)
エラリー・クイーン
東京創元社
売り上げランキング: 45498

Zの悲劇 (創元推理文庫)
エラリー・クイーン
東京創元社
売り上げランキング: 299972

レーン最後の事件 (創元推理文庫 104-4)
エラリー・クイーン
東京創元社
売り上げランキング: 179059

アクロイド殺し (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
アガサ クリスティー
早川書房
売り上げランキング: 16621

ナイン・ストーリーズ (新潮文庫)
サリンジャー
新潮社
売り上げランキング: 10834

うまい犯罪、しゃれた殺人 〈クラシック・セレクション〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ヘンリイ・スレッサー
早川書房
売り上げランキング: 201115

あなたに似た人 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 22-1))
ロアルド・ダール
早川書房
売り上げランキング: 14918

ホッグ連続殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ウィリアム・L. デアンドリア
早川書房
売り上げランキング: 54008

クリスマス・プレゼント (文春文庫)
ジェフリー ディーヴァー
文藝春秋
売り上げランキング: 15731

歯と爪【新版】 (創元推理文庫)
ビル・S・バリンジャー
東京創元社
売り上げランキング: 458461

殺人小説家 (講談社文庫)
デイヴィッド ハンドラー
講談社
売り上げランキング: 407048

招かれざる客たちのビュッフェ (創元推理文庫)
クリスチアナ・ブランド
東京創元社
売り上げランキング: 252063

〈プラチナファンタジイ〉 奇術師 (ハヤカワ文庫 FT)
クリストファー・プリースト
早川書房
売り上げランキング: 164399

星を継ぐもの (創元SF文庫)
ジェイムズ・P・ホーガン
東京創元社
売り上げランキング: 499

さむけ (ハヤカワ・ミステリ文庫 8-4)
ロス・マクドナルド
早川書房
売り上げランキング: 24930

偽のデュー警部 (ハヤカワ・ミステリ文庫 91-1)
ピーター・ラヴゼイ
早川書房
売り上げランキング: 40466



海外の作品を選ぶ際には、もしかしたら、訳者の名前を頼りにするべきなのかもしれない。


ミステリ・ハンドブック (ハヤカワ・ミステリ文庫)

早川書房
売り上げランキング: 126211

海外ミステリ名作100選―ポオからP・Dジェイムズまで
H.R.F. キーティング
早川書房
売り上げランキング: 232064

デビルサマナー 葛葉ライドウ対アバドン王 Plus(真・女神転生III NOCTURNE マニアクス クロニクル エディション同梱)


なんだか価格が高騰しているけれど、私は2009年の夏に新品を4980円で購入した。
当時は古本市場で投売り状態だった。
購入の動機はyoutubeでたまたまプレイ動画を見て面白そうだと思ったからだ。
結論から言えば期待以上の面白さだった。
2つのゲームが入っている。
「デビルサマナー 葛葉ライドウ対アバドン王」は大正二十年の帝都を舞台にした戦闘時のみアクション要素があるRPG。「真・女神転生III NOCTURNE マニアクス クロニクル エディション」は世紀末の東京が舞台のコマンド選択式RPG。どちらも会話で悪魔を仲魔にして、育成、合体する点で共通している。
どちらもRPGとしてのボリュームは至って平均的で、超大作というわけではないのだが、悪魔合体が中毒的なので嵌まってしまうとプレイ時間が際限なく増えていく。ちなみに私はどちらも一周目をクリアするのに100時間以上費やした。
マルチエンディングで2周目以降限定の要素もあるので、そういうのが好きな人も楽しめる。

こちら↓は「真Ⅲ」が入っていないバージョン。

デビルサマナー葛葉ライドウ対アバドン王 超公式完全本

エンターブレイン
売り上げランキング: 31557

ついでに、その後の帝都が舞台のマンガが面白い。
デビルサマナー葛葉ライドウ対コドクノマレビト(1) (ファミ通クリアコミックス)
綾村 切人 (原作)金子 一馬(株式会社アトラス) (脚本)真壁 太陽・原田 庵十(RA-SEN)
エンターブレイン

大越孝太郎「猟奇刑事マルサイ」

何かしらの規制に引っかかるらしく、Amazonでは取り扱いがない。
私は就活のついでに梅田の紀伊国屋で購入した。

内容はエログロミステリーってところかな。
とにかく笑える。
お世辞にも上品とはいえないネタだが、意外にも結構真面目な刑事物。
シリアスな笑いというやつだ。
絵が妙に綺麗なところも笑いを誘う。

他の大越作品も妙に探偵小説めいていたりして面白い。

月喰ウ蟲
月喰ウ蟲
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大越 孝太郎
青林工芸舎

フィギッシュ
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大越 孝太郎
青林工芸舎

天国に結ぶ恋 (1)

不思議庭園の魔物 (九竜COMICS)

京極夏彦「巷説百物語」

巷説百物語 (角川文庫)
京極 夏彦
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内容(「BOOK」データベースより)
怪異譚を蒐集するため諸国を巡る戯作者志望の青年・山岡百介は、雨宿りに寄った越後の山小屋で不思議な者たちと出会う。御行姿の男、垢抜けた女、初老の商人、そして、なにやら顔色の悪い僧―。長雨の一夜を、江戸で流行りの百物語で明かすことになったのだが…。闇に葬られる事件の決着を金で請け負う御行一味。その裏世界に、百介は足を踏み入れてゆく。小豆洗い、舞首、柳女―彼らが操るあやかしの姿は、人間の深き業への裁きか、弔いか―。世の理と、人の情がやるせない、物語の奇術師が放つ、妖怪時代小説、シリーズ第一弾。


妖怪シリーズもそうだったが、読む前はこの上なく読みづらそうな印象を持っていた。
実際に読んでみると、ページに詰められた文字の密度や見たことのない漢字や難解な表現などがリーダビリティを損なうことは全くなかった。私は時代小説が苦手だが苦もなく読めた。
物語として非常に単純な構造なのでわかりやすいのかもしれない。
何となく古文の教科書に載っているようなお話。

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巷説百物語 1 (SPコミックス)
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西尾維新「傷物語」

傷物語 (講談社BOX)
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西尾 維新
講談社
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化物語の前日譚。
春休み、美しい吸血鬼と出会ってしまった阿良々木暦が吸血鬼もどき(人間もどき?)になるに至った経緯が語られる。
お話的にはとてもわかりやすい。化物語で仄めかされていた部分が詳細に語られるので、そこも満足できる。
ヒーローは阿良々木くんでヒロインはキスショットなのだけれど、脇役であるはずの羽川の存在感がすごいことになっている。
「つばさキャット」を読んだときは、これは仕方ないだろうと阿良々木くんに同情を覚えたけれど、こんな過去があったのなら認識を改めざるを得ない。鈍いなんてもんじゃないぞ!
今回もメタなネタが随所に挟まれている。何となく人気の少年マンガに対する批評的なものが見え隠れするような気がしないでもない。

偽物語の放送も始まったことだし、急いで読んでみた。4時間くらいかかっただろうか。面白かったから集中して読めた。
途中、既視感を覚える箇所がいくつかあったのだけれど、何のことはない、アニメの第一話で断片的に映像化されていたからだ。
俄然映画化が楽しみだ。

偽物語はアニメが終わってから読むことにする。

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ライトノベル×ミステリ

広い意味で本格ミステリ的なライトノベルをご紹介。

タイム・リープ―あしたはきのう (上) (電撃文庫 (0146))
高畑 京一郎
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タイム・リープ―あしたはきのう (下) (電撃文庫 (0147))
高畑 京一郎
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ジャンルはSF。伏線回収の手際がミステリ的。



涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)
谷川 流
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涼宮ハルヒの退屈 (角川スニーカー文庫)
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涼宮ハルヒの暴走 (角川スニーカー文庫)
谷川 流
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涼宮ハルヒの消失 (角川スニーカー文庫)
谷川 流
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涼宮ハルヒの消失 限定版 [Blu-ray]
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これもSF。作品内の時系列で消失までのエピソードは綺麗にまとまっているので、伏線回収型のミステリとして読めなくもない。アニメを見るとわかりやすい。



[映]アムリタ (メディアワークス文庫 の 1-1)
野崎 まど
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奇書と言っても過言ではない。核にある発想が非常にわかりやすいので、細かいところを無視しても感覚的に理解できる。



きみとぼくの壊れた世界 (講談社ノベルス)
西尾 維新
講談社
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不気味で素朴な囲われた世界 (講談社ノベルス)
西尾 維新
講談社
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きみとぼくが壊した世界 (講談社ノベルス)
西尾 維新
講談社
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世界シリーズ。本格ミステリを薄っぺらく展開している。ライトノベルとしては正しい姿。ガチガチの本格好きは不満を持つかもしれない。



トリックスターズ (電撃文庫)
久住 四季
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このシリーズはたぶんミステリ的には上級者向きだと思う。本格のコードやガジェットをある程度理解していて初めて十全に楽しめる。

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