西尾維新「猫物語(白)」

猫物語 (白) (講談社BOX)
西尾 維新
講談社
売り上げランキング: 2040

内容(「BOOK」データベースより)
“何でもは知らないけれど、阿良々木くんのことは知っていた。”完全無欠の委員長、羽川翼は二学期の初日、一頭の虎に睨まれた―。それは空しい独白で、届く宛のない告白…「物語」シリーズは今、予測不能の新章に突入する。


いきなりの驚きは、羽川翼が語り手を務めているということ。
虎と出会ってしまった羽川パートと、にゃんにゃんうるさいブラック羽川パートと、一切語られないのに読んだ気がする阿良々木パートで進行する。語られなかった部分がたぶん次の「傾物語」なのだろう。
予想外に推理小説的な手法・展開で、アクロイド殺しと姑獲鳥の夏と他にも色々思い出した。
本筋とは全然関係ないけれど、永沢くんで爆笑してしまった。
いろんな意味で「ハガレン」な物語だった。どうも巻ごとにメジャーな少年マンガのオマージュをやっているような気がするけれど、気がするだけで確信はない。
過剰なまでのサービスはありながらも、全体としてなかなか重い話だったし、いつもの超絶ハイテンションとは一線を画していた。
本当に自意識を抉る話は面白い。
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西尾維新「猫物語(黒)」

猫物語 (黒) (講談社BOX)
西尾 維新
講談社 (2010-07-29)
売り上げランキング: 901

内容(「BOOK」データベースより)
完全無欠の委員長、羽川翼。阿良々木暦の命の恩人である彼女はゴールデンウィーク初日、一匹の猫に、魅せられた―。それは、誰かに禁じられた遊び…人が獣に至る物語。封印された“悪夢の九日間”は、今その姿をあらわにする!これぞ現代の怪異!怪異!怪異!知らぬまに、落ちているのが初恋だ。


勢いがついちゃったので、この際、恋物語まで読み終えるつもりだ。
途中で飽きると思うけど。

そんな感じでついにゴールデンウィークの物語が詳細に語られた。
まだ阿良々木ハーレムは形成されていないので、序盤の妹成分を除けば、傷物語のときと同じテンションである。
これも映画化かもな。そこそこ派手だし、第一、放送コードに盛大に引っかかる。
雑談が伏線になるというのは小説的にはよくある手法だけど、ここまで行ってしまうともうなんだか一線を画してしまったような感じがする。何の一線なのかは知らないけど。
アニメが始まってから書かれたようで、メタなネタがかなり具体的になっている。やっぱり面白い。
時系列を遡って変貌するキャラクターについて作者は意識的だけど、そんな辻褄合わせの言い訳をしなくたって、全然問題ないと思う。ほとんど何でもありの世界観もそうだけど、それとは別に今回の怪異そのものがそういう矛盾を解消している。表裏一体とか、多面性とかそういうこと。
最後の一行でなぜか背筋が震えたのだけど、それほど考え込むこともなくその理由には思い当たって、今度はなぜこの程度のことで鳥肌が立ったのかという新たな疑問が湧いてきた。
理由はわからないけどとりあえず、これが物語の力か、ということにしておく。

次は「猫物語(白)」

ところで、バッドエンドの予感は相変わらず消えないけど、こうなってくるとそれだけじゃすまないような気もしてくる。
そのうち、どこかの実験小説みたく地の文に作者が出張ってきたり、読者が物語りに取り込まれたり、観念的に世界が崩壊したりしそうだ。
私はむしろそういうのを期待している。

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