有栖川有栖「女王国の城(下)」

女王国の城 下 (創元推理文庫)
有栖川 有栖
東京創元社
売り上げランキング: 111943

内容紹介
宗教団体〈人類協会〉の総本部内で続発する殺人事件。軟禁状態に置かれた江神二郎ら英都大学推理研の一行は、言を左右にする協会幹部を相手に決死の脱出と真相究明を試みる。


読者への挑戦を受けて推理を試みる。
着実に論理を展開していくためにはやはり時系列に沿って進めるべきだろう。なので11年前の密室殺人事件から検討に入る。至近距離からの発砲、右手にはその痕席、死体は部屋の中央付近に倒れていた。銃声から数分後の発見時にはまだ血が流れ出していた。状況は自殺、だが凶器の拳銃が密室から消失している。唯一の窓には内側から鍵がかかっていて外には木製の格子。ドアには内側からチェーンがかけられ、5センチほど開く。拳銃はその隙間を通ることができない。①自殺の場合、解決すべき謎は、どのようにして拳銃は密室から消えたのか。②他殺の場合、謎は2つ、なぜ密室状況を犯人は作ったのか、そしてその方法。物理的なハードルは前者の方が低そうに思える。関連しそうな情報は、同日に行われていた宗教団体のイベント(会祖の誕生祭、そちょうどの1年前にペリパリ降臨?)、行方不明の柄の悪い男(工藤)、晃子の駆け落ちの失敗(何者かの作為?)、11年後に再び使われた拳銃、被害者は子供たちに人気があった、深夜の小火(現場の隣の倉庫。バケツと箒しかない)、掃かれた床、倒れている障子ほどの大きさの板、床は窓側に向かって傾いている……。わからないな。
次に現代の第一の事件。ビデオテープが持ち去られた理由、ノートに書かれたペリハの文字……。
第二、第三の事件は前後が明らかではない。アリバイとトリックを弄した必然性辺りから絞り込むのだろうか。
2日間考えてもわからなかったので諦める。
ということで感想だが、クイーンだった。読めば歴然だろう。
ロジックは文句なしだが、トリックはお粗末だった。けれど、これがきっと本格の醍醐味なのだ。
とりあえず面白かったので良し。もっと短かったら満足度は高かっただろう。
宇宙開発の話は妙に説得力があった。
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有栖川有栖「女王国の城(上)」

女王国の城 上 (創元推理文庫)
有栖川 有栖
東京創元社
売り上げランキング: 22969

内容紹介
大学に顔を見せない江神を追って信州入りした英都大学推理研の面々は、女王が統べる〈城〉で連続殺人事件に遭遇する。第8回本格ミステリ大賞に輝いた、江神シリーズ第4長編。


やっと上巻を読了した。
序盤は前作を下敷きにしているみたいなのだが、もう完全に忘れているのでそういった感慨は湧かない。トリックはなんとなく覚えているけれども。
目次を見ると下巻には読者への挑戦状があるので、推理してみる。まだ推理の材料が出揃っているわけではないので可能性の提出にとどまるが。
まずは十一年前の密室殺人事件の謎。チェーンのかかった部屋の中に死体が倒れているのだが、犯人も凶器の拳銃も見当たらない。密室的にはどうにもしまらない感じだが、複合的な要因から確かに不可解ではある。入れ替わりの可能性を思いついた。死体は玉塚ではなく工藤ではないか。これは天川の偽証が要求される。解決になっていないがありがちな意外性という意味ではありだ。
そして現代の事件である。気づいた伏線;江神が人類協会を訪れた理由、山中の少女、木の洞、そこに落ちたイヤリング、二日後に何があるのか、代表の(非)存在、内紛、洞窟から吹く風、ビデオの行方・・・こちらは不可能犯罪ではないのでワンアイディアで犯人まで特定できるとは思えない。たぶん論理を積み重ねるタイプだ。なんとなく想像はできるがそれだけだ。
とりあえず、下巻に期待。
作中にあったが、バブル景気の真っ只中にもうバブルという表現があったというのには驚き呆れた。

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