鯨統一郎「邪馬台国はどこですか?」

邪馬台国はどこですか? (創元推理文庫)
鯨 統一郎
東京創元社
売り上げランキング: 134732

「悟りを開いたのはいつですか?」仏陀は未だ悟りを開いてない。
「邪馬台国はどこですか?」邪馬台国は九州でも畿内でもなかった。
「聖徳太子は誰ですか?」聖徳太子は実在しない。
「謀叛の動機はなんですか?」本能寺の変の真相。
「維新が起きたのはなぜですか?」明治維新の黒幕。
「奇跡はどのようになされたのですか?」キリストの復活は本当にあった。
胡散臭いのに妙な説得力がある。常識と非常識、どちらの主張も屁理屈に聞こえてくるから恐ろしい。
スポンサーサイト

北森鴻「触身仏」

触身仏―蓮丈那智フィールドファイル〈2〉 (新潮文庫)
北森 鴻
新潮社
売り上げランキング: 201405

内容(「BOOK」データベースより)
「わが村には特殊な道祖神が祀られている。」美貌の民俗学者・蓮丈那智のもとに届いた手紙。神すなわち即身仏なのだという。彼女は、さっそく助手の内藤三国と調査に赴く。だが調査を終えた後、手紙の差出人が失踪してしまった―。那智はいにしえの悲劇の封印を解き、現代の事件を解決する(表題作)。山人伝説、大黒天、三種の神器、密閉された昏い記憶。本格民俗学ミステリ集。


「秘供養」フーダニットとしてはダメダメだが(そもそも犯人候補が一人しか登場しないので)、それ以外は文句なし。前巻の解説でカットされていた部分が明かされたが、別に隠すことでもないと思った。その事実に付随する年齢の方が衝撃的かもしれない。
「大黒闇」雑学とカルト。
「死満瓊」説得力が弱い。なので犯人の自白が必須。
「触身仏」即身仏は生きている。これはホラーだ。
「御蔭講」新キャラ登場。わらしべ長者の話は知っていたので、納得できた。このようによく考えるとおかしい話はどこにでもあるのだろう。

北森鴻「凶笑面」

凶笑面―蓮丈那智フィールドファイル〈1〉 (新潮文庫)
北森 鴻
新潮社
売り上げランキング: 185256

内容(「BOOK」データベースより)
“異端の民俗学者”蓮丈那智。彼女の研究室に一通の調査依頼が届いた。ある寒村で死者が相次いでいるという。それも禍々しい笑いを浮かべた木造りの「面」を、村人が手に入れてから―(表題作)。暗き伝承は時を超えて甦り、封じられた怨念は新たな供物を求めて浮遊する…。那智の端正な顔立ちが妖しさを増す時、怪事件の全貌が明らかになる。本邦初、民俗学ミステリー。全五編。


「鬼封会」“「妖怪ハンター」に捧ぐ”とあったので、そういう話なのかと思いながら読んだが、全然そんなことはなかった。形式は同じなのかな。まず民族学上の謎があって、それになぞらえて事件を起こしたというわざとらしさみたいなものを感じた。
「凶笑面」真偽。このあたりが中心的なテーマになるのだろうか。逆転のための材料としては便利だが、パターン化しては面白さを失ってしまう。
「不帰屋」殺人事件のおまけっぷりが凄まじい。密室は一般的な役割よりもその凶器性において意外性があった。
「双死神」第4話にしてにわかに長期シリーズ化のためであろうガジェットが登場し、胡散臭さに拍車がかかった。でもこれくらいのほうが面白いと思う。
「邪宗仏」これは既読のはずでタイトルだけは記憶に残っていたのだが肝心の内容となるとさっぱりなので改めて読んだ。覚えていなかった理由は何となくわかった。あえて言語化するなら解説がその答えになりうると思う。私はホームズ的な短編の内容を記憶できない傾向があるらしい。記憶を掘り起こしてみても、ホームズの短編のタイトルは容易にいくつか思い浮かぶが、その内容となると「踊る人形」「ライオンのたてがみ」くらいしか思い出せない。この小説も直に忘れてしまうことだろう。同じ物語を新鮮な気持ちで繰り返し楽しめると考えれば悲観することでもないか。

奈須きのこ「空の境界 未来福音」

空の境界 未来福音 (星海社文庫)
奈須 きのこ
講談社 (2011-11-11)
売り上げランキング: 2166

内容説明
“新伝綺”、リプライズ!
新伝綺ムーブメントを打ち立てた歴史的傑作、『空の境界』の唯一にして正統なる継承作品として発表された伝説の同人作品を、満を持して星海社文庫化。
未来視の少女・瀬尾静音と出会った黒桐幹也と、同じく未来視の連続爆弾魔・倉密メルカと出会った両儀式。
ふたつの“未来”が重なり合う結末の行方は――!?
これぞ未来と過去を繋ぐボーナストラックにして原点回帰!


買うだけ買って読むのを忘れていた。熟成期間4か月。
凝った構成で短くまとまっていて楽しめた。ちょっと文章があれだけど慣れればどうということはない。
未来視の2分類がそれぞれ独立したエピソードで平行して語られ、それぞれの結末は「空の境界」を読んでいたらにやにやできるものだ。
予測と測定といわれてもピンと来ないが、要するに未来は未定か既定かの違いらしい。
読むと結局どちらも同じことのような気がした。
大げさにいえば因果律が逆転しているのだが、単なる意志の差という常識的な解釈も可能であり、こういう思考も含めて究極的に解は不定というところに落ち着く。
そこから先の可能性の物語。

石田衣良「ドラゴン・ティアーズ 龍涙」

ドラゴン・ティアーズ 龍涙―池袋ウエストゲートパーク〈9〉 (文春文庫)
石田 衣良
文藝春秋 (2011-09-02)
売り上げランキング: 8001

内容(「BOOK」データベースより)
時給300円弱。茨城の“奴隷工場”から19歳の中国人少女が脱走した。彼女が戻らないと、250人の研修生は全員が強制送還される。タイムリミットは1週間。捜索を依頼されたマコトは、チャイナタウンの裏組織“東龍”に近づく。彼女の事情を知り、板ばさみになり悩むマコト。万策つきた時、マコトの母が考えた秘策とは。


「キャッチャー・オン・ザ・目白通り」ネタが弱い。そのうちネット炎上とかもやりそう。ところで公正な社会の実現のためには暴君を許さない政治体制下の密告というのはありかもしれないと思った。
「家なき者のパレード」人情噺。熱く爽やかでよろしい。
「出会い系サンタクロース」長さの制約のせいかパターン化しているな。ネタ的にも生ものに近く耐用年数が短い。
「ドラゴン・ティアーズ 龍涙」家族が増えたね。
ここ何作かはすっかりシステムとの戦いになっている。目の前の敵と倒すべき悪が一致しないのですっきりしない。
初期のほうが面白かったように思うのは思い出補正だろうか。

検索フォーム
Amazon
最新記事
リンク
カウンター
カテゴリ
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
QRコード
QR