二階堂黎人編「密室殺人大百科(上)」

密室殺人大百科〈上〉 (講談社文庫)

講談社
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内容(「BOOK」データベースより)
密室殺人は、人間が不可能を可能にするための叡智の結晶なのである―。謎めく魔術や超自然的な力や不気味な存在を使わず、そんな殺人が成し遂げられるのだろうか。折原一、霧舎巧、二階堂黎人ら名立たる本格ミステリー作家たちが腕を競い合う短編に、古典の名作も収録。「密室」の面白さを凝縮して一挙放出。


ブックオフにて105円で購入。なかなか濃くて十分に元は取れた。

芦辺拓「疾駆するジョーカー」見取り図を見た時点でトリックはわかった。犯人は間違えたけど、フーダニットがメインじゃないからこれでいいのかな。
太田忠司「罪なき人々vs.ウルトラマン」発想としてはこれしかないという安易なもので名探偵の登場を待つまでもなく自明。トリックはそれを実現するための一手段に過ぎない。
折原一「本陣殺人計画 横溝正史を読んだ男」密室ものではなく密室をテーマに据えた別の何かだった。若干アンチミステリ的。横溝は読もうとは思うんだけど未だに手を出せずにいる。あと乱歩も。
霧者巧「まだらの紐、再び」記憶は定かではないのだが多分既読。犯人は初めから一人しか考えられないし、密室トリックもあからさまに過ぎる。
鯨統一郎「閉じた空」トリックとしてこれでいいのかという気がしてくる。だがたしかに密室ものだし必要十分の説得力はあった。
谺健二「五匹の猫」なんだか盛り沢山だった。繰り返されるどんでん返しをスマートにまとめるのは難しいのだろう。猫クッションが印象深い。
柴田よしき「正太郎と田舎の事件」クールな視点がすばらしい。肝心の密室は驚愕とはいえないがそこそこ。伏線が機能する前に見えてしまったのが残念。これはフェアプレイ精神とトレード・オフなのか?
二階堂黎人「泥具根博士の悪夢」館もの。4重密室のトリックは予想できた。足跡のほうは無理だった。ときどきこういう作品に出会うとどこからが叙述トリックなのかわからなくなる。目の前に検討すべき課題があるのに探偵以外の登場人物が気づかないまま物語りは進むため自分が何か勘違いをしているのではと思えてくる。これではまるで不条理小説だ。
ロバート・エイディー「密室ミステリ概論」欧米の密室ミステリの歴史についての解説だった。あまり興味をそそられなかったので流し読みで済ませたが、翻訳ものとは思えない読みやすさで、とにかくカーはすごいということがわかった。
鮎川哲也「マーキュリーの靴」謎が解明されたときにどうして気づけなかったのかと思わされるミステリは傑作である。無駄がないのはいいことだが、必要な部分すら省かれているように感じるのは昨今の長い短編に毒されすぎだろうか。ところで考えてみると探偵役のキャラクターが凄まじい。
高木彬光「クレタ島の花嫁 贋作ヴァン・ダイン」なんか読みにくかった。密室に気を取られるとまず謎は解けないだろう。
ジョン・ディクスン・カー「デヴィルフィッシュの罠」密室か?
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