二階堂黎人編「密室殺人大百科(下)」

密室殺人大百科〈下〉 (講談社文庫)

講談社
売り上げランキング: 780073

内容(「BOOK」データベースより)
優れた着想によって構築された密室殺人こそが、推理小説ファンの渇望を癒せる奇跡の泉なのである―。これらを読まずに「密室殺人」のなぞ解きは語れない。愛川晶、霞流一、斎藤肇ら本格ミステリーの名手たちが、あっと言わせるなぞ解きのテクニックを披露する。地上最高のゲーム「密室」の魅力が全開。


ということで、足掛け3か月でようやく読了。

愛川晶「死への密室」小川に引っ張られて謎解きの方向を誤った。川を利用したトリックを延々考えていたので正解から離れる一方。それにしても読者への挑戦は無理がありはしないか? あの時点で全てわかるのはエスパーだろう。

歌野晶午「夏の雪、冬のサンバ」一つ目のトリックがあまりにもあからさまだったのでそこで思考停止してしまった。もう一つの方はなかなか。元ネタがわからないのでいまいち楽しめなかった。

加賀美雅之「縛り首の塔の館――シャルル・ベルトランの事件簿」二つの大きなトリックが仕掛けられていた。一つはどこかで見たことがある感じで自明。これで犯人の見当はついたのだが、もう一つがなかなかすごかった。謎が超自然的過ぎてミスリードされなかった点が残念。

霞流一「らくだ殺人事件」密室トリックは大掛かりだったが、ここまでリアリティがないともうミステリじゃないような気がする。あと、なぜか状況がわかりにくい。

斎藤肇「答えのない密室」HOW?に関しては解答を待つまでもなく容易に思いつく。だがWHY?となると答えが決められない。素直に読めば逆転の発想に驚けるのかもしれないが、あいにく捻くれてしまっているので驚愕を味わえなかった。

柄刀一「時の結ぶ密室」トリックはいかにも本格といった感じで印象は良い。その分リアリティは薄いが。犯人がいないじゃん、と思っていたら真相はアンフェアだった。ま、トリックの解明に重点が置かれているのでこれでいいのだろう。

西澤保彦「チープ・トリック」面白かった。キャラ萌えなのかな。勘の良い読者にとって、これは倒叙になるのではないか。少なくとも私はそう読んだ。しかしそれだと不可能趣味が薄れる。でもミステリーってそんなもんか。

小森健太郎「密室講義の系譜」流し読み。気力が続かない。

横井司「日本の密室ミステリ案内」流し読み。読む本がなくなったら参考にしよう。

狩久「虎よ、虎よ、爛爛と――101番目の密室」冒頭から凄まじい文章に読む気をそがれたが、物語が進むに連れてまともになっていった。ミステリ的には、単純な大枠の中にややこしい一発ネタがあるせいで爽快感に乏しいけれども、本格度はかなり高いと思う。

エドワード・D・ホック「ブリキの鵞鳥の問題」それでいいのかと問いたくなる密室トリック。舞台設定は面白い。そして翻訳特有の文体。
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米澤穂信「ふたりの距離の概算」

ふたりの距離の概算 (角川文庫)
米澤 穂信
角川書店(角川グループパブリッシング) (2012-06-22)
売り上げランキング: 100

内容(「BOOK」データベースより)
春を迎え高校2年生となった奉太郎たちの“古典部”に新入生・大日向友子が仮入部する。千反田えるたちともすぐに馴染んだ大日向だが、ある日、謎の言葉を残し、入部はしないと告げる。部室での千反田との会話が原因のようだが、奉太郎は納得できない。あいつは他人を傷つけるような性格ではない―。奉太郎は、入部締め切り日に開催されたマラソン大会を走りながら、心変わりの真相を推理する!“古典部”シリーズ第5弾。


いつも通りの地味な内容だが、非常にアクロバティックだったと思う。
飽くまで論理的に、しかし解答はあさっての方向からやってくる。やっぱりミステリはこうでないと。
けれど同時に論理は後付けに過ぎないということも改めて思うのである。
どれだけ正しい論理を積み重ねても真相は見えず、逆に真相が見えてしまえば、それを説明するための論理はそこら中に転がっている。
必要か十分かという当たり前の話である。
推理というのはそういうことだ。

アニメの氷菓も見ているけれど、内容なんて全然覚えてないので、新鮮な気持ちで楽しめている。中でも「愚者のエンドロール」は面白かったな。

どうでもいいことだが、ドラクエ9をいまさらやって、テリーのワンダーランドがリメイクされたので3DSといっしょに買って、そうしたら読書の時間が取れず、密室殺人大百科(下)はもう2か月以上机の上に放ったままであることにブログの日付を見て愕然とした。今日も3DSを充電する時間にちょうど良い長さだから読めたのである。しかも時々ブックオフに立ち寄ると105円棚の魔力によって衝動買いしてしまうので、もう4,50冊未読の文庫が積み重なっている。ざっと確認すると同じ本があったりして落ち込む。どうにかしないといけないな。

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