牧薩次「完全恋愛」

完全恋愛 (小学館文庫)
牧 薩次
小学館 (2011-03-04)
売り上げランキング: 272506

内容紹介
他者にその存在さえ知られない罪を完全犯罪と呼ぶ。では、他者にその存在さえ知られない恋は完全恋愛と呼ばれるべきか?
*
推理作家協会賞受賞の「トリックの名手」T・Mがあえて別名義で書き下した
究極の恋愛小説+本格ミステリ1000枚。
舞台は第二次大戦の末期、昭和20年。福島の温泉地で幕が開く。主人公は東京から疎開してきた中学二年の少年・本庄究(のちに日本を代表する画家となる)。この村で第一の殺人が起こる(被害者は駐留軍のアメリカ兵)。凶器が消えるという不可能犯罪。
そして第二章は、昭和43年。福島の山村にあるはずのナイフが時空を超えて沖縄・西表島にいる女性の胸に突き刺さる、という大トリックが現実となる。
そして第三章。ここでは東京にいるはずの犯人が同時に福島にも出現する、という究極のアリバイ工作。
平成19年、最後に名探偵が登場する。
全ての謎を結ぶのは究が生涯愛し続けた「小仏朋音」という女性だった。


上手いな。よくできている。
だがそれゆえに「おわりに」で明かされる真実がかなり早い段階で読めてしまった。私にしては珍しくすべての伏線を拾った上で。
驚けなかったことだけが残念だ。

構造的には連作中編集に近い。それぞれの時代で起きた3つの事件が名探偵の登場を待たず謎解きされるので、私は推理するタイミングを失ったし、邪推に囚われることになった。
トリック的には最初の事件は古典的でスマート。2番目の事件はありふれた逆転の発送を否定するための伏線とそれをひっくり返すための伏線が見事。最後の事件はダメダメだが、全体像としてみた場合に意外性抜群。

振り返ってみると語られてないことが多々あるように思うのだが、大筋には影響しないのでまあいいか。

読後、エピグラフの意味が変わってしまったことには驚いた。
そして最後のツンデレに笑ってしまった。
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