法月綸太郎「ふたたび赤い悪夢」

ふたたび赤い悪夢 (講談社文庫)
法月 綸太郎
講談社
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内容(「BOOK」データベースより)
法月綸太郎のもとに深夜かかってきた電話。救いを求めてきたのはあのアイドル歌手畠中有里奈だった。ラジオ局の一室で刺されたはずの自分は無傷で、刺した男が死体で発見される。恐怖と混乱に溢れた悪夢の一夜に耐えきれず、法月父子に助けを願い出た。百鬼夜行のアイドル業界で“少女に何が起こったか”。


ということで、早速読んでみた。
最初に感じたのは読みやすさだった。読み終えたばかりの「二の悲劇」とは比べ物にならない。結局600ページを超える分量が全く気にならなかった。文体に大きな違いは見受けられない。だから字の大きさとそれに伴うレイアウトが読みやすさの原因だと思われる。だがこれでも最新の講談社文庫よりまだ小さいのである。そのサイズに慣れてしまっているから、小さな文字が読みにくかったのだ、と相対的な結論にしておく。
読む順番を間違えたせいで、物語の結末が私にとって予定調和になってしまい、スリルもサスペンスもなかった。
それで肝心の内容だが、驚くべきはたった1件の殺人事件しか起きていないことである。厳密には他に二人死んでいるのだが、それは過去の話で考えるべき謎は終盤まで明示されない。
普通の本格ミステリであれば、連続殺人事件が起きるべき長さだ。その上、読者の視点から見ると殺人事件そのものはなかなかに陳腐なトリックで、フーダニットはおまけのような扱いである。多くの部分を、芸能界の謀略と探偵の苦悩が占めている。
本格のガジェットは控えめに、しかし本格のコードに則って書かれている。
家族とか人間関係とか秘密とか、やっぱり名探偵が登場するハードボイルド小説なのだ。
「頼子のために」が強く影響を及ぼしているのだが、かなり前に読んだので内容はうろ覚えで、どうにもすっきりしない。
まあ普通に面白かった。
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