伊坂幸太郎「あるキング」

あるキング (徳間文庫)
伊坂 幸太郎
徳間書店 (2012-08-03)
売り上げランキング: 25,581

内容(「BOOK」データベースより)
この作品は、いままでの伊坂幸太郎作品とは違います。意外性や、ハッとする展開はありません。あるのは、天才野球選手の不思議なお話。喜劇なのか悲劇なのか、寓話なのか伝記なのか。キーワードはシェイクスピアの名作「マクベス」に登場する三人の魔女、そして劇中の有名な台詞。「きれいはきたない」の原語は「Fair is foul.」。フェアとファウル。野球用語が含まれているのも、偶然なのか必然なのか。バットを持った孤独な王様が、みんなのために本塁打を打つ、そういう物語。


ファンタジー過ぎてもう何が何だかわからない。
マクベスを読んだことがないからだろうか?
理解を放棄すれば表層をなぞるだけでも十分面白い。
たびたび主人公を襲う不条理に気分が悪くなり、更にそれが不自然ではなくむしろ条理的であるとさえ言え、余計に不愉快だ。
要するに人間はどうしようもない。
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伊坂幸太郎「モダンタイムス(下)」

モダンタイムス(下) (講談社文庫)
伊坂 幸太郎
講談社 (2011-10-14)
売り上げランキング: 7,250

内容(「BOOK」データベースより)
5年前の惨事―播磨崎中学校銃乱射事件。奇跡の英雄・永嶋丈は、いまや国会議員として権力を手中にしていた。謎めいた検索ワードは、あの事件の真相を探れと仄めかしているのか?追手はすぐそこまで…大きなシステムに覆われた社会で、幸せを掴むには―問いかけと愉しさの詰まった傑作エンターテイメント。


面白かった。
しかしやっぱり衝撃はない。
まあ、そんなものを求めて読んだわけじゃないからどうでもいいのだけど。
いや、でも見せかけの真実というのにはびっくりしたかも。

目の前の敵と倒すべき悪が一致しないのはスッキリしない。
水戸黄門が面白いわけだ。
エンタメとして勧善は鬱陶しいことも多いが懲悪は欠かすとダメということだな。

「魔王」では「考えろ」、本作では「勇気はあるか?」というキーワードが読み取るまでもなく明示されている。
つまり「空気を読むな」ということだと思う。
島国でムラ社会の日本ではIT技術の発展がなくとも監視社会は成立していたし、今でも田舎では住民同士が監視しあっている。
このような下地があるからこそ作中の説明に説得力がある。
同調圧力というやつだ。
出る杭は打たれるし、他人の足は引っ張るためにある。昨今の過剰な自主規制なんかも同じ物を感じる。
実に気持ち悪い。
海外ではどうなのだろう?

伊坂幸太郎「モダンタイムス(上)」

モダンタイムス(上) (講談社文庫)
講談社 (2012-09-28)
売り上げランキング: 736

内容(「BOOK」データベースより)
恐妻家のシステムエンジニア・渡辺拓海が請け負った仕事は、ある出会い系サイトの仕様変更だった。けれどもそのプログラムには不明な点が多く、発注元すら分からない。そんな中、プロジェクトメンバーの上司や同僚のもとを次々に不幸が襲う。彼らは皆、ある複数のキーワードを同時に検索していたのだった。


新年最初の一冊。
すっかり読書欲が失われてひと月が経ち、そろそろ溜まった本を消化しようと思ってもどうにも億劫でしかたがないので、こういう時のためにとっておいた本書を開くことにした。
発売日に買った覚えがあるので1年以上寝かせていたことになる。
時が経つのは早いな。
小説は熟成させると面白くなるのだろうか。
さて、感想だが、導入部を過ぎると期待以上に面白かった。
本筋は検索・監視・危険という一連の不穏なシステムに関するものなのだろうが、その他にもいくつか気になる事件が並行しているようで、全貌が全く見えてこない。
そういえば、「魔王」の続編だという話だ。
共通する登場人物がいるが、語られる内容と私の記憶との間に齟齬があって、それもまた気になる。
さっさと下巻に進もう。

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