境界線上のホライゾンⅡ〈上〉

境界線上のホライゾン2〈上〉―GENESISシリーズ (電撃文庫)
川上 稔
アスキーメディアワークス
売り上げランキング: 29,010

内容(「BOOK」データベースより)
重奏世界の末世救済の鍵となる9つの大罪兵器のひとつを身に宿した少女・ホライゾン。彼女を聖譜連合から奪還した航空都市艦“武蔵”の総長トーリ達は、二番目の大罪兵器の譲渡を請うため日本海上空に浮かぶ島・英国へと向かう。しかし同時に、大内家と融合し西中国地方を支配する三征西班牙も、来るべきアルマダ海戦の歴史再現に先駆け、行動を開始していた…。中世の日本と各国が同居する学園ファンタジー世界“極東”を舞台に繰り広げられる壮大な「GENESIS」シリーズ、第二話スタート。


アニメを見ていたから驚きの展開はなく、細かな違いを楽しみながら読んだ。
しかし一点だけ驚いたことがある。
アニメではかなり省略されていたんだなあ、という点だ。
当時一見した限りでは意味不明だったのも頷ける。
ところが不思議なことにわからなくても面白かったのだ。
この感覚は1期の時にもあった。
攻殻機動隊も似たような印象がある。
咀嚼あるいは反芻する楽しみがあるのだ。
ミステリを読んでいてもたまにそういう感覚を覚えることがある。
具体例は、……思い出せないな。
そんな感じで今回、詳細な説明や心理描写を見ると改めて納得できることが多々あった。
下巻も同じように楽しめればいいと思う。
ところで、だんだんと文章が雑になっていくように感じられたのは気のせいだろうか?

境界線上のホライゾン2〈下〉―GENESISシリーズ (電撃文庫)
川上 稔
アスキーメディアワークス
売り上げランキング: 28,659

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芦辺拓「真説ルパン対ホームズ―名探偵博覧会〈1〉」

真説ルパン対ホームズ―名探偵博覧会〈1〉 (創元推理文庫)
芦辺 拓
東京創元社
売り上げランキング: 461,220

内容(「BOOK」データベースより)
一九〇〇年、十一年ぶりの万博に沸き返るパリ。身に覚えのない窃盗の罪を着せられた若き日のアルセーヌ・ルパンは、己が名誉を守るべく真犯人を捜し出す決心をする。時同じくしてパリを訪れたのは、かの偉大なるシャーロック・ホームズ!怪盗と名探偵が密室から消失した仏像の謎と盗まれたフィルムの行方に迫る。古今東西の名探偵が難事件に挑む、傑作揃いのパスティーシュ集。


「真説ルパン対ホームズ」お祭り騒ぎって感じ。意外性は皆無。やっぱり夏目漱石も登場。興味を惹かれない情報がやたらに多い。
「大君殺人事件 またはポーランド鉛硝子の謎」これもお祭り。本格らしすぎて意外性はないが、まさかの叙述トリック。
「《ホテル・ミカド》の殺人」三度お祭り。謎の日本人の正体がハイライトだろうか。推理は間抜けなようでいて切れ味鋭い。
「黄昏の怪人たち」これはファンタジーだな。乱歩のジュブナイルは読んだことないけどこんなノリなら読まなくてもいいや。
「田所警部に花束を」鮎川哲也を読んだことがないからだろうか、よくわからなかった。
「七つの心を持つ探偵」見事なおふざけだった。この長さならありだな。
「探偵奇譚 空中の賊」サスペンスだった、のか? 昔の翻案小説っぽいからあの人のオマージュなのだろうが、今頃こんなものを読まされても苦痛しか感じない。
「百六十年の密室-新・モルグ街の殺人」ここへ来て後期クイーン問題、あるいはゲーデルの不完全性定理。たまげたが、よく考えると、単に別解を示しただけで、特別なことは何もない。

あとがきは興味深かった。

藤岡真「六式金神殺人事件」

六色金神殺人事件 (徳間文庫)
藤岡 真
徳間書店
売り上げランキング: 61,914

内容(「BOOK」データベースより)
保険調査員・江面直美は青森に出張の帰り、吹雪に遭い小さな町に入り込む。そこでは「六色金神祭」が行われていた。中央からタレントまで呼んだ大規模な祭だが、町は電話も不通、交通も遮断された完全な陸の孤島。そこで次々と起こる不可解な殺人事件―。宇宙開闢から大和朝廷の成立までの歴史をつづったという六色金神伝紀によれば、ここ津本は宇宙の中心であったという。異色伝奇ミステリー、書下し。


なんというか、まあ、面白かった。
バカミスらしくて良い。
だがトリックは不発だった。
というかむしろ暴発だったというべきだろうか。
かなり早い段階から読めてしまうのだ。
それにしてもこの文章力はなかなか強烈だ。
久々に頭が痛くなった。

歌野晶午「死体を買う男」

死体を買う男 (講談社文庫)
歌野 晶午
講談社
売り上げランキング: 311,158

内容(「BOOK」データベースより)
乱歩の未発表作品が発見された!?『白骨記』というタイトルで雑誌に掲載されるや大反響を呼ぶ―南紀・白浜で女装の学生が首吊り自殺を遂げる。男は、毎夜月を見て泣いていたという。乱歩と詩人萩原朔太郎が事件の謎に挑む本格推理。実は、この作品には二重三重のカラクリが隠されていた。奇想の歌野ワールド。


導入は非常に面白い。
これはきっと設定によるものなのだろう。
乱歩という固有名詞が本格のガジェットとなっている。
実在の人物が登場するフィクションというのはそれだけで面白さの底上げになるように思う。
肝心の内容はよくできている。
現実-フィクションの関係性と作中作との相性が非常に良い。
ただ推理小説としての意外性は期待していた程ではなかった。
最終的な真相が容易に予想できてしまったせいで、どんでん返しが無駄に感じられるのだ。
結局のところ最も楽しめたのは作中作である理由であり、ゆえによくできていると感じられた。
謎解きのカタルシスは得られなかったが、それでも十分に面白かった。
ところで、このタイトルの意味するところは?

小林泰三「大きな森の小さな密室」

大きな森の小さな密室 (創元推理文庫)
小林 泰三
東京創元社
売り上げランキング: 143,281

内容(「BOOK」データベースより)
森の奥深くの別荘で幸子が巻き込まれたのは密室殺人だった。閉ざされた扉の奥で無惨に深された別荘の主人と、癖のある六人の客―表題作の「大きな森の小さな密室」をはじめ、死亡推定時期は百五十万年前という抱腹絶倒の「更新世の殺人」ほか、安楽椅子探偵、日常の謎など、ミステリでお馴染みの七つのテーマに超個性派探偵たちが挑む精緻なミステリ連作集。


「大きな森の小さな密室」既読だが内容を覚えていなかったので楽しめた。短い中に気づいただけでも5つのレッドヘリングが仕掛けられていて見事に引っかかってしまった。ミスリードを誘う読者への挑戦は珍しいのではないか。

「氷橋」狙いがよくわからないな。空回りする犯人のコメディとしてなら読めるがミステリとしてはネタが弱い。倒叙じゃなければコナンとかでありそう。

「自らの伝言」今度は端正なミステリ。キャラがいいね。

「更新世の殺人」見事なコントだった。記憶は定かではないが前作はもっとすごかった印象がある。本格ミステリにおいて重要視される論理とはかように危ういものなのである。

「正直者の逆説」凄まじいメタミステリだった。やはり鍵は論理である。

「遺体の代弁者」こうなると犯人の意外性はもはやないな。ギャグ小説として読むべき。

「路上に放置されたパン屑の研究」これまた意外性はない。しかしそれはこの短篇集の構成によるところが大きく、この短編だけだったらなかなかに意外だったのではないか。そうするとフェアじゃなくなるかもしれないが。

奥泉光「ノヴァーリスの引用」

ノヴァーリスの引用 (集英社文庫)
奥泉 光
集英社
売り上げランキング: 318,630

内容紹介
10年前の友人の不審死。事故か自殺か、それとも他殺か? 関係者の推理が記憶の迷宮へと読者を誘う。第15回野間文芸新人賞、瞠目反・文学賞W受賞の幻の傑作メタミステリが復活。(解説・島田雅彦)


尽く意味不明だった。
確かにメタ・ミステリではある。だがそれだけだ。
たぶん期待の仕方を間違えたんだろう。
タイムスリップしたかと思うと夢オチだからね。
それにしてもこれほど読みづらい文章は久しぶりだ。
何について語られているのか全く頭に入ってこない。

駕籠真太郎「ハーレムエンド」

ハーレムエンド
ハーレムエンド
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駕籠真太郎
コアマガジン

内容紹介
閲覧注意! 駕籠真太郎、衝撃の描きおろしエンターテインメント。

「フラクション」「アナモルフォシスの冥獣」に続く、著者コアマガジン単行本第三弾。

奇想天外ドタバタ劇に本当のハーレムエンドは訪れるのか――!!?
長編「ハーレムエンド」は完全描き下ろし。他の巻末の短編については再録となります。


「フラクション」はマンガ、「アナモルフォシスの冥獣」は特撮がテーマだったが、今度のテーマはアニメである。
ミステリ色は前2作よりも薄いが、キチガイ度はこちらのほうが上。
グロさは通常通り。
第一章の落差には笑ったな。
ネタ満載だが、ほとんどが時事ネタ的なもので、しかもアニメ業界に関する一定の知識を要求するため、十全に堪能するには少しハードルが高い。
自分は大体楽しめた。
期待していたバカミス成分は後半の短篇集で補充できたので大満足。

フラクション
フラクション
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駕籠真太郎
コアマガジン
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アナモルフォシスの冥獣
駕籠 真太郎
コアマガジン

筒井康隆「愛のひだりがわ」

愛のひだりがわ (新潮文庫)
筒井 康隆
新潮社
売り上げランキング: 83,042

内容紹介
幼いとき犬にかまれ、左腕が不自由な小学六年生の少女・月岡愛。母を亡くして居場所を失った彼女は、仲良しの大型犬デンを連れて行方不明の父を探す旅に出た。暴力が支配する無法の世界で次々と事件に巻き込まれながら、不思議なご隠居さんや出会った仲間に助けられて危機を乗り越えていく愛。近未来の日本を舞台に、勇気と希望を失わずに生きる少女の成長を描く傑作ジュヴナイル。


抽象的なタイトルだなと思って読み始めたら、とても具体的なタイトルだったので驚いた。
それにしてもさすがだな。
久しぶりに小説を読んだ気がした。
豊かなのに無駄がない。
特に後半の畳み掛けはさむけすら感じた。
老練の技術はこういうところで光る。
リアリティとは創り出すものなのだ。
文体からしてもうずるいよね。
唐突に思えた幕切れは余韻を強く残した。

道尾秀介「花と流れ星」

花と流れ星 (幻冬舎文庫)
道尾 秀介
幻冬舎
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内容紹介
死んだ妻に会うために霊現象探求所を構えている真備。その助手の凛と、彼女にほのかな思いを寄せる、売れない作家・道尾。3人のもとに、傷ついた心を持った人たちが訪れる。友人の両親を 殺した犯人を見つけたい少年。自分のせいで孫を亡くした老人……。彼らには誰にも打ち明けられない秘密があった。人生の光と影を集めた、心騒ぐ5編。


「流れ星のつくり方」フィニッシングストロークは決まっているのだろう。個人的には不発だが。伏線があからさまに過ぎたな。真相が簡単に予想できるのはいただけない。
「モルグ街の奇術」ホラー&ミステリ。そういえば、このシリーズはそもそもこういう路線だった。こういうのもありだと思うけれど、匙加減が難しいよね。火刑法廷は高評価で黒い仏は非難轟々なんだから。
「オディ&デコ」病床探偵。タイトルがネタバレ。
「箱の中の隼」“真備庄介(偽)の冒険”といった内容。ホワットダニットだった。
「花と氷」謎解き要素は薄め。タイトルがいいな。

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