東野圭吾「放課後」

放課後 (講談社文庫)
放課後 (講談社文庫)
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東野 圭吾
講談社
売り上げランキング: 8,944

内容紹介
女子高で起きた密室殺人。乱歩賞受賞の傑作校内の更衣室で生徒指導の教師が死んでいた。アーチェリー部の指導教師が警察との交渉役にされ、何者かに狙われる。運動会の仮装行列でついに第二の殺人事件が!


もう30年近く前の作品だが、さすがに読みやすい。
密室トリックは古典的で、それゆえ見破ってしまったけれど、好感が持てる。
操り、あるいは誘導というのはクイーンからの系譜であって、メタミステリというかミステリの限界というか、新本格以前という意味でなかなか興味深いが、それに続く真相や結末は妙に間が抜けていて、乱歩賞受賞作といえどもこの時点では劣化赤川次郎だったのだな、という印象が残る。
やはりストーリーテリングの手腕というのは物語である以上、最重要なのだろう。
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東野圭吾「真夏の方程式」

真夏の方程式 (文春文庫)
東野 圭吾
文藝春秋 (2013-05-10)
売り上げランキング: 26

内容(「BOOK」データベースより)
夏休みを玻璃ヶ浦にある伯母一家経営の旅館で過ごすことになった少年・恭平。一方、仕事で訪れた湯川も、その宿に宿泊することになった。翌朝、もう1人の宿泊客が死体で見つかった。その客は元刑事で、かつて玻璃ヶ浦に縁のある男を逮捕したことがあったという。これは事故か、殺人か。湯川が気づいてしまった真相とは―。


面白かったけど、物足りない。物語の重点が人間ドラマに置かれているため、ミステリである必要性が感じられないのだ。いや、でも、ガリレオシリーズの長編は全部そうか。では前2作との違いは何なのか? 驚天動地のトリックの有無かな。もしこの小説がミステリじゃなかったら、あるいはガリレオシリーズではなかったら、こんな不満を抱くことはなかっただろう。しかしそれだとそもそも読む気にもならなかっただろう。難しいものだ。映画化ということだが、小難しいトリックはないから映画向きだ。そういえば聖女の救済のドラマを見たけど、原作と結構違っていたな。ついでに思い出した。子供嫌いの設定はどこに行ったのだろう?

ガリレオ DVD-BOX
ガリレオ DVD-BOX
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アミューズソフトエンタテインメント (2008-06-13)
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西尾維新「暦物語」

暦物語 (講談社BOX)
暦物語 (講談社BOX)
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西尾 維新
講談社
売り上げランキング: 42

内容(「BOOK」データベースより)
“ただそれでも、できることは全部やりたくなるじゃない”美しき吸血鬼と出逢った春夜から、怪異に曳かれつづけた阿良々木暦。立ち止まれぬまま十二ヶ月はめぐり“物語”は、ついに運命の朝を迎える。


「こよみストーン」安楽椅子探偵忍野メメ。なんだか語り口が妙にくどく感じられたのだが前からこんなだっけ? 日常の謎に分類されるのだろうが、オチが最低だ(褒め言葉)。
「こよみフラワー」やっぱり普通のミステリだ。どうでもいいけどデビサバ2が脳裏をよぎった。憂う者忍野。
「こよみサンド」今度は安楽椅子探偵羽川翼。物理トリック。
「こよみウォーター」名探偵戦場ヶ原ひたぎ。
「こよみウィンド」議論回。なかなか興味深かった。
「こよみツリー」ドラえもんと化した羽川。阿良々木=のび太で違和感はない。
「こよみティー」モンスターブラザー。余韻の残る良いラストだった。
「こよみマウンテン」囮物語の前日譚。謎なんてあってなきが如し。単なる前振り。
「こよみトーラス」イイハナシダナー。
「こよみシード」結果的にミステリだった。こういうプロットはたまに見るけれどなかなか面白いものだなあ。
「こよみナッシング」まさかの名探偵阿良々木火憐。そして思わせぶりな幕切れ。
「こよみデッド」バッドエンド。そして彼女の復活。
何でもありの世界観なのでもう何が起きても驚かない。臥煙伊豆湖の言う”奴”とは一体何者なのか? 心当たりは一人しかいないが。

G・ガルシア=マルケス「予告された殺人の記録」

予告された殺人の記録 (新潮文庫)
G. ガルシア=マルケス
新潮社
売り上げランキング: 74,277

内容紹介
町をあげての婚礼騒ぎの翌朝、充分すぎる犯行予告にもかかわらず、なぜ彼は滅多切りにされねばならなかったのか? 閉鎖的な田舎町でほぼ三十年前に起きた、幻想とも見紛う殺人事件。凝縮されたその時空間に、差別や妬み、憎悪といった民衆感情、崩壊寸前の共同体のメカニズムを複眼的に捉えつつ、モザイクの如く入り組んだ過去の重層を、哀しみと滑稽、郷愁をこめて録す、熟成の中篇。


表紙に示されている原題を見ると明らかなのだが、邦題だと「予告された」がどちらに係っているのかわかりにくい。というのも私は「殺人の記録」が「予告された」のだと思い込んでいて、そのようなややこしいプロットを思い浮かべていたので肩透かしを食らった。内容はといえば、至って普通のミステリっぽくもあり、話が行ったり来たりしてややこしさを感じるものの、読みながら受ける印象とは対照的に振り返ると異様にすっきりしていて、物語の筋についての疑問はない。この辺りが小説の技術なのだろうな。しかし解釈を試みると難解だ。これはもう諦めよう。ところで、「本格ミステリクロニクル300」の中で、同じタイトルのミステリが紹介されていた。内容に興味を惹かれたのだが、手に入れるのが面倒そうなので試しにググってみたらネタバレを見つけて、読まなくてよかったと思ったのを思い出した。

予告された殺人の記録 (講談社ノベルス)
高原 伸安
講談社
売り上げランキング: 1,053,554

内容(「BOOK」データベースより)
ダイイングメッセージは華麗なカトレアの花…。ロサンジェルスの高級住宅街で起こった殺人事件は、密室で自殺した男の犯行なのか。物言わぬ花はいったい何を告げるのか。事件に巻きこまれた“私”推理行は、ありうるべからざる犯人の名前を指し示す。ミステリー最後の放れ業に挑戦した驚天動地の大異色作。

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