折原一「遭難者」

遭難者 (角川文庫)
遭難者 (角川文庫)
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折原 一
角川書店
売り上げランキング: 578,392

内容(「BOOK」データベースより)
北アルプスの白馬岳から唐松岳に縦走中、不帰ノ嶮という難所で滑落死した青年・笹村雪彦。彼の山への情熱をたたえるため、彼の誕生から死までを追悼集にまとめることになった。企画を持ちかけられた母親は、息子の死因を探るうちに、本当に息子は事故死なのだろうか、と疑惑を抱き始める…。登山記録、山岳資料、死体検案書などが収められた追悼集に秘められた謎、謎、謎…。2冊組箱入りで、待望の文庫化。奇書!2冊組箱入りの追悼集に隠された死者からのメッセージ。この本は追悼集(本編)と別冊の二つで構成されています。


買ってから長らく放置していた。
ブックオフの105円コーナーで買ったのは覚えているがあれはいつの事だっただろうか。
箱入りだったから興味を惹かれたのだ。
そして長い時を経て今読み終えたわけだが、これ、スタイルが変則的なだけで中身はごく普通のミステリーじゃん。
作者からして叙述トリックを期待していたのに、そういった仕掛けが皆無なのだ。
その上意外性までないとくれば、まさしく虚仮威し。
2時間ドラマならこれで十分だろうが、なぜわざわざこんな形式にしたのか全く理解できない。
そういう意味で「奇書」という煽りはあながち間違っていない。
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飴村行「粘膜人間」

粘膜人間 (角川ホラー文庫)
飴村 行
角川グループパブリッシング
売り上げランキング: 25,222

内容(「BOOK」データベースより)
「弟を殺そう」―身長195cm、体重105kgという異形な巨体を持つ小学生の雷太。その暴力に脅える長兄の利一と次兄の祐太は、弟の殺害を計画した。だが圧倒的な体力差に為すすべもない二人は、父親までも蹂躙されるにいたり、村のはずれに棲むある男たちに依頼することにした。グロテスクな容貌を持つ彼らは何者なのか?そして待ち受ける凄絶な運命とは…。第15回日本ホラー小説大賞長編賞を受賞した衝撃の問題作。


不条理でグロテスクなスプラッターなのだから疑いの余地なくホラーなのだろう。
しかしよくわからなかった。
全三章で構成されていて、各章に限定すれば物語として読めるのだが、それぞれを並べた時にどういう意味を持つのかさっぱりなのだ。
いや、事態の推移については理解できる。むしろ単純すぎるくらいだ。
ところが、そこに意味を見出せない。意図と言い換えたほうが適切かもしれない。
読了後の一言は「それで?」だ。
こういうものなのか、それともこちらが見落としているのか。
うーん……。
文章はわざとなのだろうが、読んでいてかなり気になった。これだけ徹底していると技巧的とさえ言えるのではないか。
そうそう、わからないと言えばそもそもタイトルがわからない。

麻耶雄嵩「隻眼の少女」

隻眼の少女 (文春文庫)
麻耶 雄嵩
文藝春秋 (2013-03-08)
売り上げランキング: 81,368

内容(「BOOK」データベースより)
山深き寒村で、大学生の種田静馬は、少女の首切り事件に巻き込まれる。犯人と疑われた静馬を見事な推理で救ったのは、隻眼の少女探偵・御陵みかげ。静馬はみかげとともに連続殺人事件を解決するが、18年後に再び惨劇が…。日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞をダブル受賞した、超絶ミステリの決定版。


「夏と冬の奏鳴曲」を思い出した。
第一部の時点ですでにそこまでやるかと言いたくなる展開で、しかし作者的にはまだ物足りない結末を迎え、続く第二部でまさかの真相に唖然とする。
エラリィ・クイーン+ドルリー・レーンってことでいいのかな。部分的にはこれで合ってると思う。
残念なのは謎に魅力を感じなかったことと真相が美しくないことだ。
謎の方はプロット上仕方ないと思うが、真相はもう一手間加えるだけで綺麗な多重構造が構築できたはずだと思うのだ。

追記:よく考えたらこれはそのまんま後期クイーン問題だ。したがってこの結末は必然なのだ。

夏と冬の奏鳴曲(ソナタ) (講談社文庫)
麻耶 雄嵩
講談社
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山本弘「シュレディンガーのチョコパフェ」

シュレディンガーのチョコパフェ (ハヤカワ文庫JA)
山本 弘
早川書房
売り上げランキング: 255,376

内容(「BOOK」データベースより)
キャラグッズの買い物につきあってくれる裕美子は、俺にとって最高の彼女。でも、今日のデートはどうにも気分が乗らない。久々に再会した旧友の科学者、溝呂木がこの世界の破壊を企んでいるらしいのだ―アキバ系恋愛に危機が迫る表題作、SFマガジン読者賞受賞の言語SF「メデューサの呪文」、孤独なサイボーグの見えざる激闘を描く「奥歯のスイッチを入れろ」など7篇を収録。


「シュレディンガーのチョコパフェ」都合が良すぎるだろ。情景を想像しながら読むと実に気持ち悪い。
「奥歯のスイッチを入れろ」意図がわからないな。プロローグあるいはイントロとしてなら理解できなくもない。そうか、打ち切り漫画っぽいのだ。
「バイオシップ・ハンター」これぞSF!って感じ。6割ぐらい理解できなかったけど。
「メデューサの呪文」これはすごい。『ドグラ・マグラ』とか『虐殺器官』とかを思い出した。現実と地続きの設定だったらもっと幻惑されたかもしれない。
「まだ見ぬ冬の悲しみも」外れクジってことだな。アイディアは面白いけど論理的に正しいのかな。どうも納得できない。
「七パーセントのテンムー」既読。私は哲学的ゾンビだ。
「闇からの衝動」元ネタがわからないから何とも言えない。
解説に感じたことが大体書いてあった。

真空断熱タンブラー

THERMOS 真空断熱タンブラー 320ml ステンレス JDA-320 S
THERMOS (サーモス) (2013-02-21)
売り上げランキング: 2

暑すぎて小説を読む気力がない。

そこで最近の私的ヒット商品のご紹介。

サーモスの真空断熱タンブラーだ。
何がすごいって、とにかく結露しない。
氷をたっぷり入れてモヒートを飲んでも手は濡れないし、テーブルに水たまりもできない。
本当に感動した。
もっと早く買えばよかった。
保温に関しては、エアコンのない部屋でも朝起きた時に前夜の氷が残っているくらい。
普通のコップだと2時間も保たない。
常温の酒だと大体水割り4杯分だ。
なかなかだと思うが、保温はあくまでおまけだと考えるべきだ。
主たる効用は結露しないことである。

サイズについて一言。
400mlだと洗いにくい。320mlだと少し小さい。
容量か形状のバリエーションがもっと欲しいところだ。


追記;冬場に温かい飲み物用として使ってみた。やはり保温は今ひとつ。当たり前の話だが気温10℃で70℃の物を保温するのと、気温30度で10℃の物を保温するのとでは前者のほうが難しい。その上熱は上に逃げていくので冷えるスピードは加速する。保温が目的なら大人しくフタ付きの断熱マグか魔法瓶の水筒を使ったほうが良い。

サッポロ バカルディ モヒート 缶 -4月25日新発売!- 350ML × 24本
サッポロビール株式会社
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汀こるもの「パラダイス・クローズド」

パラダイス・クローズド THANATOS (講談社文庫)
汀 こるもの
講談社 (2011-02-15)
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内容紹介
周囲の人間に不審な死をもたらす「死神(タナトス)体質」の兄・美樹(よしき)と、発生した事件を解決する「探偵体質」の弟・真樹(まさき)。変わり者のミステリー作家が孤島に建てた館・水鱗館(すいりんかん)に向かった二人は、案の定、不可解な密室殺人事件に遭遇する。双子の少年と新米刑事が活躍する人気シリーズの第1作。第37回メフィスト賞受賞。(講談社文庫)


ネタ満載で本格に喧嘩を売るところなんかは楽しめた。
しかしこれでも結局本格の枠組みの内に留まっているのだ。
しかもトリックは弱い。
どうせならアンチミステリにして欲しかった。
シリーズは結構出ているみたいだけど、この調子なら読まなくてもいいかな。

蠅の王 (新潮文庫)
蠅の王 (新潮文庫)
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ウィリアム・ゴールディング
新潮社
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林泰広「見えない精霊」

The unseen見えない精霊 (カッパ・ノベルス―カッパ・ワン)
林 泰広
光文社
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内容(「BOOK」データベースより)
インドの森の奥深く、僕の目の前の老婆は突然語り始めた。その声と言葉は、自らの不可能な死を語るカメラマン「ウィザード」のものだった。飛行船の闇の中、彼に死を与えるために来た美しい少女と、見えることしか信じない彼の戦いが始まる。彼の武器は鋭利な頭脳、巧妙な論理の罠。だが、彼の罠を次々に突き破る少女の論理と見えない精霊の力。大胆に読者に突きつけられる質問状、あなたは解けるか?


ネットでミステリを探しているとよく名前を見かける本書。
ブックオフで105円だったので買ってきた。
期待していたものとは少し違ったが、面白かった。
何を期待していたのかといえば、「活字による大マジック・ショー」だ。
活字でないと成立し得ない類のトリックだろうと思って読み進めていたら、最初の質問状よりも前に現実的な解答を閃いてしまい、結局それが正解だった。
論理パズル的な性格が前面に出ているので、ひねくれ者は容易に思いつけるだろうが、たしかに素直に騙されていたら驚けることだろう。
最近似たようなのを読んだ気がすると思っていたが、たぶん「丸太町ルヴォワール」だ。

丸太町ルヴォワール (講談社文庫)
円居 挽
講談社 (2012-09-14)
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綾辻行人「眼球綺譚」

眼球綺譚 (角川文庫)
眼球綺譚 (角川文庫)
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綾辻 行人
角川グループパブリッシング
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内容紹介
編集者の主人公に、大学の後輩から郵便が届いた。「読んでください。夜中に、一人で」という手紙とともに、その中にはある地方都市での奇怪な事件を題材にした小説の原稿がおさめられていて……珠玉のホラー短編集。


「再生」よくある再生能力もの。意外性が足りない。気色悪さはホラーなのか?
「呼子池の怪魚」え? なに? この意外なオチ、ていうか飛翔。
「特別料理」気持ち悪い。オチが宙ぶらりんだな。そういう狙いなのはわかるけど。
「バースデー・プレゼント」トリックは隠す気がないとしか思えない。そして意味不明。
「鉄橋」ホラーとしてはこれでいいのだろうが、なんだかすっきりしない。
「人形」今度はすっきりした。
「眼球綺譚」いつの間にか衝撃のない叙述トリックに引っかかっていた。全話に登場する咲谷由伊はこのための布石だったのだな。作中作ということで何かあるという期待をしながら読んだのだが、何だろう、この感じ。読んでいる最中は面白かったけれど、読み終えてみると微妙。
ということで、ベストは「呼子池の怪魚」
ちなみに漫画版もある。

眼球綺譚 ―COMICS― (角川文庫)
綾辻 行人 児嶋 都
角川グループパブリッシング
売り上げランキング: 38,787

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