久住四季「ミステリクロノ」

ミステリクロノ (電撃文庫)
久住 四季
メディアワークス
売り上げランキング: 797,232

内容(「BOOK」データベースより)
世界と規則、それが天使。時間と記憶、それが人間。その壁を跳び越えて、出会ってしまった二人の物語。


ラノベとしては普通に面白い。
ミステリとしては本格の精神を感じるものの、フーダニットとしての捻りが弱く、微妙。
ただ、動機というか、ある意味で犯行の方法というか過程というか、なかなかすごいものがあった。
未回収の伏線があるのでシリーズでどう回収するのか楽しみだ。
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中村九郎「ロクメンダイス、」

ロクメンダイス、 (富士見ミステリー文庫)
中村 九郎
富士見書房
売り上げランキング: 661,088

内容(「BOOK」データベースより)
ハツはカウンセラーに伝えられた―「何事にも正直に生きなければ、一年後には死んでしまう」、と。そして、特効薬は―恋をすること。高校入学と同時に、施設“六面ダイス”で、四人の心に傷を抱えた“患者”たちと共同生活を送ることになったハツ。三つ年上のヒロムは“亡霊”と呼ばれる帰還兵。美容師のララ子は、表と裏の二つの顔を持つ。なかでもチェリーはハツよりもずっと重い心の悩みを抱えていた。少しでも心を揺さぶられると、感情を抑え込むために、心の白血球ともいうべき“心辺警護”が、他人に危害を加えようと動き出すのだ。だから、恋なんてできやしない。しかし、ハツはチェリーに恋をしてしまう。目に見えない、やっかいな“心辺警護”は敵意をむき出しにしてハツを襲う。恋をしなければならないハツ、恋をしてはならないチェリー。二人の恋の行方は―。そして六面ダイスに隠された大がかりな謎とは!?センシティブでミステリアス、純愛ラブストーリー。


ずっと前にネットで書評を見て購入し長い間放置していた。どうして興味を持ったのかはもう記憶の彼方だけど、確かラノベ×ミステリの文脈だったと思う。こんな感じでうっすら本格的なものを期待して読み始めた。そして期待は裏切られた。ツイストはあるがミステリ的には失敗作だ。スッキリしないのは世界設定に関する説明が不足しているせい。ホワットダニットにもなりきれていない。ラブストーリーにしては余計な要素が多すぎて読みづらい。青春小説ならこれくらいのごった煮でいいのかもしれないが、個人的に趣味じゃない。

野崎まど「パーフェクトフレンド」

パーフェクトフレンド (メディアワークス文庫 の 1-5)
野崎 まど
アスキー・メディアワークス (2011-08-25)
売り上げランキング: 15,585

そして五作目。これで手持ちの野崎まどは全て消化。
初めての女性主人公は小学生。
掛け合いのバランスが危うくて、とてもじゃないが普遍性があるとはいえないのだが、ナマモノとしてはいいんじゃないか。
「友達とは何か」「なぜ友達が必要か」「友達の作り方」天才少女は解答を導き出すが、衝撃の展開を経て、カーの某作のような、しかし印象は正反対の終幕。友達についての考察で終わってたらSFだった。そこからジャンルは拡散し、物語は揺らぎ、なかなかにぎやかで楽しかった。
コンスタントに新作が出てるから追いかけるのも大変だな。

8/22追記
エピローグで明かされたフルネームの意味がずっと引っかかっていた。「モナカかよ」と突っ込んだだけでスルーしていたのだが、不意に思い出して確認してみた。
これってそういうことだよな。それなら一応の合理的な説明が可能だ。

[映]アムリタ (メディアワークス文庫 の 1-1)
野崎 まど
アスキー・メディアワークス
売り上げランキング: 11,873

半日かけて市内の古本屋巡りをした結果

七つの海を照らす星
凶鳥の如き忌むもの
水魑の如き沈むもの
新世界崩壊
メルカトルかく語りき
かってに改蔵⑨⑪⑭

こうして未読の山が築かれていくのだ……


野崎まど「小説家の作り方」

小説家の作り方 (メディアワークス文庫)
野崎 まど
アスキーメディアワークス (2011-03-25)
売り上げランキング: 71,110

内容(「BOOK」データベースより)
「小説の書き方を教えていただけませんでしょうか。私は、この世で一番面白い小説のアイデアを閃いてしまったのです―」。駆け出しの作家・物実のもとに初めて来たファンレター。それは小説執筆指南の依頼だった。出向いた喫茶店にいたのは、世間知らずでどこかズレている女性・紫。先のファンレター以外全く文章を書いたことがないという紫に、物実は「小説の書き方」を指導していくが―。野崎まどが放つ渾身のミステリー・ノベル改め「ノベル・ミステリー」登場。


続いて四作目。
面白かった。
言語SFだった。
やっぱり前三作と同じ印象を受けた。
あえて言語化すると、破綻した物語を修正するために機械仕掛けの神が現れて伏線を張った、という感じ。
コアのアイディアが非常識なのでこうならざるをえないのだろう。
単純明快なので説得力を必要としない。
ハードSFになるとリーダビリティが下がるのでこれが最適なんだろうな。

野崎まど「死なない生徒殺人事件―識別組子とさまよえる不死」

死なない生徒殺人事件―識別組子とさまよえる不死 (メディアワークス文庫)
野崎 まど
アスキーメディアワークス (2010-10-23)
売り上げランキング: 53,989

内容(「BOOK」データベースより)
「永遠の命を持った生徒がいるらしいんですよ」生物教師・伊藤が着任した女子校「私立藤凰学院」にはそんな噂があった。話半分に聞いていた伊藤だったが、後日学校にて、ある女生徒から声をかけられる。自分がその「死なない生徒」だと言ってはばからない彼女だったが、程なく彼女は何者かの手によって殺害されてしまう―。果たして「不死」の意味とは?そして犯人の目的は!?第16回電撃小説大賞“メディアワークス文庫賞”受賞者・野崎まどが放つ、独創的ミステリ。


著者の三作目。あらすじから「ヒトクイマジカル」を連想した。結果的に似てなくもない。西尾維新からアクを抜くとこんな感じになるのだろう。こちらはこちらでなかなかの曲者だが。
殺人事件が起きて一応フーダニットの形式をとってはいるが、本筋は不死の謎である。伏線が丁寧に張ってあるので、その秘密から驚愕を得ることはできなかった。途中で思いついた時には「よくやるわ」と思った。
曲がりなりにも合理的に落ち着いたと思われたミステリーは最後にあちら側から一歩踏み込まれて綺麗に閉じる。
期待通りの出来栄えだった。期待通りというのは、前二作と印象が同じという意味だ。もっと別な色も見てみたいが、これはこれで様式美のような気もする。いや、機能美かな。

ヒトクイマジカル<殺戮奇術の匂宮兄妹> (講談社文庫)
西尾 維新
講談社 (2008-12-12)
売り上げランキング: 88,957

深水黎一郎「ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!」

ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ ! (講談社ノベルス)
深水 黎一郎
講談社
売り上げランキング: 335,581

出版社 / 著者からの内容紹介
第36回メフィスト賞受賞作

「あなたが犯人!」。
あり得ないと思えた企みの完遂に向かい、すべての進行が周到に準備される。この被害者を殺した犯人は、ぼくだった。これから読まれる人すべてが、この驚きを味わうはず。誰もが気づかなかった方法。このジャンルの、文句なくナンバーワン。――(島田荘司)

新聞に連載小説を発表している私のもとに1通の手紙が届く。その手紙には、ミステリー界最後の不可能トリックを用いた<意外な犯人>モノの小説案を高値で買ってくれと書かれていた。差出人が「命と引き換えにしても惜しくない」と切実に訴える、究極のトリックとは?読後に驚愕必至のメフィスト賞受賞作!


普通に面白かったわけだが、読者が犯人ものの例に漏れず、「お前が犯人だ!」と言われても納得はできない。
トリック自体は作中でも言及されていた「虚無への供物」のアレンジに過ぎない。
起承転結で言うと「転」に当たる部分が非常に面白く、ページ数を示して「ほら、ここにちゃんと書いてあっただろう?」という演出が憎らしい。

倉阪鬼一郎「三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人」

三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人 (講談社ノベルス)
倉阪 鬼一郎
講談社
売り上げランキング: 286,290

内容(「BOOK」データベースより)
「4月9日(金)午前0:20にお越しください。お目にかかれるときを楽しみにしております。黒鳥館主人」招待状を手に東亜学芸大生・西大寺俊は黒鳥館と名づけられた壮麗な洋館に赴く。招待客は全員無作為に選ばれたという。ウェルカムドリンクを主人から受け取った西大寺は、館内の完全な密室で怪死。呪われた館を舞台とした凄惨な連続殺人の火蓋が切って落とされる―。復讐のため建てられた館で繰り広げられる大惨劇。


やられたな。
個人的には「四神金赤館銀青館不可能殺人」の方が好みだけど、こっちの方が気合が入っているし、よくできていると感じた。
実物を見たことはないけど、黄色とロリンという情報からある物を連想し、世界が反転したような気がした。
ところが、そこから先に考えが進まないのでモヤモヤしながら読み進めると、出るわ出るわ、「実は〇〇だった」の波状攻撃。
さらに変質狂的な暗号、そして不意に読者に与えられる選択肢まで。
盛りだくさんの内容だった。
同じ作者のバカミスを2冊続けて読んでみて、バカミスには少なくとも2つの方向性があると思った。
1つは脱力感を伴う種明かし、もう1つは作者の精神構造を疑わせる無意味な仕掛け。
どちらもフェアプレイを基本とする本格ミステリとの相性が良いのだ。
もう1つ感じたこと。
リーダビリティを追求したバカミスを読んでみたい。直木賞作家とかの。

倉阪鬼一郎「四神金赤館銀青館不可能殺人」

四神金赤館銀青館不可能殺人 (講談社ノベルス)
倉阪 鬼一郎
講談社
売り上げランキング: 661,309

内容(「BOOK」データベースより)
花輪家が所有する銀青館に招待されたミステリー作家屋形。嵐の夜、館主の部屋で起きた密室殺人、さらに連鎖する不可能殺人。対岸の四神家の金赤館では、女の「殺して!」という絶叫を合図に凄惨な連続殺人の幕が切って落される。両家の忌まわしい因縁が呼ぶ新たなる悲劇!鬼才が送る、驚天動地のトリック。


積読消化キャンペーン。
噂に違わないバカミスで満足感はかなり高い。
殺人事件なんてどうでもよくなる驚愕のトリック。
私は「で……」の時点である可能性に思い至り、爆笑してしまった。
「泉水館第四の秘密」が伏線になっているのだ。
この情報がなかったらきっと気づかなかっただろう。
台本の仕掛けには気づけなかったが、これはアンフェアなので仕方ない。
ふーちゃんの正体は最初から謎でも何でもないのでカタルシスはなし。

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