二階堂 黎人
講談社
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内容(「BOOK」データベースより)
不気味な逆五芒星の中央に捧げられた二重鍵密室の首なし死体。邸内を徘徊する西洋甲胄姿の亡霊。資産家一族の住む大邸宅で、黒魔術のミサを思わせる血みどろの惨劇が続く。当主はなぜ警察の介入を拒むのか。そして、「呪われた遺言」に隠された真実を追う名探偵・二階堂蘭子にもついに殺人者の魔の手が迫る。
なげーよw
手に取った瞬間からまるで煉瓦のような重量感でわかってはいたけれど、いざ読みだすとつまらない話が延々と続いて話が一向に先に進まず、本当にどうしようかと思った。
時系列的には「吸血の家」より前の事件。そういえば「吸血の家」の中で言及があったかもしれない。
もっとポップな内容だったら印象も違ったのだろうが、どろどろとした骨肉の争いがおどろおどろしく描かれているため、感覚的には殺人事件が起きるまでを長編一本分以上に感じた。
日付を確認したら読み始めて2週間も経っている。
それでも後半は半日で読み終えたのだから、結果的に面白かったということだ。
この速度上昇には理由がある。
事件の全体像が見えたため、それを早く確認したくなったのである。
密室トリックにはお手上げだったが、真犯人は正解だった。
作中でも言及されているが、この小説はどうやら「火刑法廷」が下敷きになっているらしく、登場人物表を見ていたら、一つの形が浮かび上がってきて、多くのレッドヘリングが無効化された。
要するにあれだ。2時間サスペンスの序盤で犯人がわかるというやつだ。ひどいものだと新聞のテレビ欄を見ただけで犯人の見当がつく。
おかげで大団円で蘭子が溜めに溜めるのでやたらに笑えた。犯人と探偵役以外の頭がお粗末すぎるだろう。古典的だ。
しかし火刑法廷をやるなら探偵は死ぬべきだったな。
ところで前から漠然と思っていたことの言語化に成功した。
二階堂蘭子をイメージ出来ない。いや、できなくはないのだが明らかに間違っている。
私がイメージする二階堂蘭子はどうしても角川文庫版「ドグラ・マグラ」の表紙になってしまうのだ。
いつの間にか美人設定が抜け落ちてしまって、気付くたびに修正を試みるのだが上手くいかない。
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