麻耶雄嵩「貴族探偵」

貴族探偵 (集英社文庫)
麻耶 雄嵩
集英社 (2013-10-18)
売り上げランキング: 6,231

内容(「BOOK」データベースより)
信州の山荘で、鍵の掛かった密室状態の部屋から会社社長の遺体が発見された。自殺か、他殺か?捜査に乗り出した警察の前に、突如あらわれた男がいた。その名も「貴族探偵」。警察上部への強力なコネと、執事やメイドら使用人を駆使して、数々の難事件を解決してゆく。斬新かつ精緻なトリックと強烈なキャラクターが融合した、かつてないディテクティブ・ミステリ、ここに誕生!傑作5編を収録。


「ウィーンの森の物語」犯人当てとしては簡単な部類だった。もっと捻くれているのを期待していたけれど、その代わりにキャラクターが強烈だった。
「トリット・トラッチ・ポルカ」こういう方向性なのか。シンプルとツイストの両立。やっぱりキャラクターが強烈。
「こうもり」やられた! 登場人物の一人が鍵だというのはわかっていた。違和感のある描写にも気づいていた。しかしもう一段上のトリックが仕掛けられていた。解決編に入ってもメイドが何を言っているのか理解できなかった。混乱したのは『弁護側の証人』以来だった。フェアプレイを逆手に取ったトリックに一本取られた。森博嗣がこれと逆のことをやってフェアかアンフェアか議論になっていた記憶がある。それと特に言及はないが浮気相手は貴族探偵だよな。
「加速度円舞曲」謎の所在がわからなかったが正しくフーダニットだった。玉突き式の論理も面白いものだ。
「春の声」真相についてはこの作者ならやりそうなことだと容易に想像できた。推理はできなかった。いつものことだ。
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西尾維新「終物語」

終物語 (上) (講談社BOX)
西尾 維新 VOFAN
講談社
売り上げランキング: 77

内容(「BOOK」データベースより)
真っ暗な眼の転校生・忍野扇。彼女が微笑みながら解き明かす、阿良々木暦の“始点”とは…?高校一年生のあの日、少年は絶望を味わった―これぞ現代の怪異!怪異!怪異!青春の、終わりを告げる影がさす。


第一話「おうぎフォーミュラ」人間を見事に描き切った快作だ。本当に気持ち悪い。この気持ち悪さは個人に由来するのかそれとも社会が要求するのか、興味深い。仕掛けについては上手いとは言い難いがまんまと騙されたので楽しめた。

第二話「そだちリドル」一つの謎が解かれ、新たな謎が現れる。今度は真っ当なミステリだが本格ではないな。

第三話「そだちロスト」いい話なのかな。リドル・ストーリー的にも読める結びのため判断できない。下巻次第だ。トリックは新本格の系譜で、私にとっての意外性はほとんどなかった。

今回は小ネタ、雑談が少なめで比較的真面目だった。「花物語」を思い出した。これこそ「暦物語」にすべきだったのではと思えるが、内容とタイトルのミスマッチはすでに前例があるのでいまさらどうということもない。忍野扇の存在は謎のまま。物語は確実に終局へ向かいつつあるように感じられるが、それが一体どこになるのか見当もつかない。

森博嗣「キウイγは時計仕掛け」

キウイγは時計仕掛け (講談社ノベルス)
森 博嗣
講談社
売り上げランキング: 473

内容(「BOOK」データベースより)
建築学会が開催される大学に届いた奇妙な宅配便。中には、γと刻まれたキウイにプルトップが差し込まれたものがたったひとつ、入っていた―。荷物が届いた日の夜、学長が射殺された。学会のため当地を訪れていた犀川創平は、キウイに刻まれたギリシャ文字を知り、公安の沓掛に連絡する。取材にきていた雨宮純、発表のため参加の加部谷恵美、山咲早月。ほか、海月及介、国枝桃子、西之園萌絵らも集う邂逅の一巻。


3時間ほどで読了。面白いとサクサク進む。いや逆か。
今回は建築学会で起こる事件。というかほとんど学会の話で、殺人事件が起きなくても物語として成立しそうである。その事件はとても古典的な謎解きを経て、まさしく藪の中。
いつからか作中の時間が現実とリンクしていて、時事ネタを盛り込みつつ、なんだかんだで加部谷がヒロインなんだなあ。
真賀田四季サーガとして俯瞰すると伏線だらけだった。
あと今回の西之園さんも素敵でした。

米澤穂信「折れた竜骨」

折れた竜骨 上 (創元推理文庫)
米澤 穂信
東京創元社
売り上げランキング: 16,714

内容(「BOOK」データベースより)
ロンドンから出帆し、北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。その領主を父に持つアミーナは、放浪の旅を続ける騎士ファルク・フィッツジョンと、その従士の少年ニコラに出会う。ファルクはアミーナの父に、御身は恐るべき魔術の使い手である暗殺騎士に命を狙われている、と告げた…。いま最も注目を集める俊英が渾身の力で放ち絶賛を浴びた、魔術と剣と謎解きの巨編!第64回日本推理作家協会賞受賞作。


ずっと艦これやってて本を読んでなかった。イベントも落ち着いたと思ったら延長してさらに新艦追加と来た。武蔵は早々にゲットしてるから迷うところだ。

ということで久しぶりのミステリなのだが、普通に楽しめた。
この手の特殊設定下のミステリは論理が際立つんだよな。
故に論理的思考の苦手な私は推理に関してはお手上げだったが、犯人や真相については早い段階で予想ができた。
余計なものを無視すると普通のミステリだからだ。
推理なんてしなくても伏線らしき情報を結びつけるだけで自ずと浮かび上がってくる。
まあ、だからどうしたということなのだが。
予想だにできない意外な真相だったらもっとよかった。

折れた竜骨 下 (創元推理文庫)
米澤 穂信
東京創元社
売り上げランキング: 21,150

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