連城三紀彦「造花の蜜」
内容(「BOOK」データベースより)
歯科医の夫と離婚をし、実家に戻った香奈子は、その日息子の圭太を連れ、スーパーに出かけた。偶然再会した知人との話に気をとられ、圭太の姿を見失った香奈子は、咄嗟に“誘拐”の二文字を連想する。息子は無事に発見され安堵したのも束の間、後に息子から本当に誘拐されそうになった事実を聞かされる。―なんと犯人は「お父さん」を名乗ったというのだ。そして、平穏な日々が続いたひと月後、前代未聞の誘拐事件の幕が開く。各紙誌で絶賛を浴びたミステリの最高傑作がついに文庫化。
凄いな。
どうやって辻褄を合わせたのか全くわからない。
そもそも矛盾点はないのか?
まとめると単純な話なのだが、とてもそうは思えない。
最後の最後まで犯人に翻弄されっぱなしだった。
そんなはなれわざ。
誘拐事件の顛末よりも登場人物の人間関係に重点が置かれているので、その分長い。
単にこのネタでミステリを書くなら半分の長さで十分だと思う。
ある意味二本立てみたいなところもあるので、長さ自体には納得している。
この構成に見覚えがあると思っていたが思い出した。
「鏡の中は日曜日」(文庫版)だ。