三津田信三「百蛇堂 怪談作家の語る話」

百蛇堂<怪談作家の語る話> (講談社文庫)
三津田 信三
講談社 (2013-12-13)
売り上げランキング: 93,150

内容(「BOOK」データベースより)

作家兼編集者の三津田信三が紹介された男、龍巳美乃歩が語ったのは、旧家、百巳家での迫真の実話怪談だった。数日後、送られてきた原稿を読んだ三津田と周囲の人々を、怪現象が襲い始める。もうひとつの怪異長編『蛇棺葬』から繋がる謎と怪異が小説の内と外で膨れあがるホラー&ミステリ長編。全面改稿版。


大オチは完全に予想を凌駕された。
そのひとつ手前の種明かしが、冒頭から自ずと明らかで、私自身その可能性に思い至った時点で思考停止してしまっていた。
そうであるならば、事件の様相がどう変わるのか、結局最後まで考えがまとまらなかった。
どうもあの伏線の張り方は、そもそも隠す気がないようにも思える。
騙されやすい読者はまんまと騙され、ひねくれ者はトリックを見破ったと思って満足してしまうという絶妙なバランスだ。
そして名前の本当の意味に気付くことができなかった。
ミステリ的にあの密室はガバガバ過ぎて、解法はいくらでもあったように思う。
私の推理は飛鳥とほぼ同じだった。
バッドエンドからメタフィクション性がまさかの解説まで続いてなかなかに楽しめた。
後の「首無の如き祟るもの」を予感させるような傑作だった。

あと、どうでもいいけど、柱に書かれている十二章の章題の誤植が気になった。
正「蛇迂郡它邑町蕗卯檜へ」→誤「蛇迂郡它邑町蕗卯へ」
ちなみに講談社文庫初版。
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三津田信三「蛇棺葬」

蛇棺葬 (講談社文庫)
蛇棺葬 (講談社文庫)
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三津田 信三
講談社 (2013-10-16)
売り上げランキング: 125,157

内容(「BOOK」データベースより)

幼い頃、引き取られた百巳家で蛇神を祀る奇習と怪異の只中に“私”は過ごす。成長した“私”は訳あって再びその地を訪れる。開かずの離れ“百蛇堂”での葬送百儀礼で何が起こるのか?もうひとつの怪異長編『百蛇堂 怪談作家の語る話』へと繋がるホラー&ミステリ長編。著者の創る謎と怪異の世界。全面改稿版。


相変わらずホラー小説の怖さというものがよくわからないが、それでも面白かった。
唯一心を動かされたのは、死体の皮膚が削られる描写だ。実に気持ちが悪い。
ミステリ的に読めば、問題編だ。密室トリックと一連の事件の全体像がポイントだろう。
それと恒例の名前も気になる。
ストーリーとは全然関係ないけど、読んでいて気になったのは、仄めかしが多い点。「Another」を読んでいるときにも同じものを感じた。作者の都合で肝心な部分が先延ばしにされている気がする。
次は「百蛇堂」。

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